カテゴリ:この国のかたち( 92 )

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先日、福島に行ったとき、ローカル・ニュースで、

その存在を知った。

希望の牧場ふくしま。

福島第一原発から14キロのところにある牧場である。

330頭の牛を飼い続けている。

殺処分にしたらという意見に対して、

生き物を殺すにしのびないと飼い続けている。

当然、牛を出荷するつもりはない。

資金カンパで、えさをまかなっている。

今年の冬のえさをどうするか?

たたまたま、宮城県の牧場の汚染のレベルの低い牧草が、

処分されず保管されていた。

それを受け入れることで、話がまとまりかけていた。

ところが、宮城県と福島の地元自治体が、異議を申し立て

すったもんだしている。

どうなるのだろう。


でも、この希望の牧場ふくしまの取り組みは、

原発事故の問題の深いところで、考えさせられるものを

はらんでいる。


なんとか生かしたいという330頭の牛を

殺していいのだろうか。

牛が生きられない場所には、人間も住めないのではないか。

5年先を目標に、順次、住民を帰宅させようという計画が

進んでいるというが、

ほんとうに、安心してすめるところかどうか

牛たちが、証人になってくれるのではないだろうか。

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by kitanojomonjin | 2015-11-29 11:55 | この国のかたち | Comments(0)

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相馬港にある「伝承鎮魂祈念館」を訪ねた。

平成27年4月1日にオープンしたばかりだという。

中に入ると、独特の雰囲気に包まれている。

無理もない。

「相馬市の原風景を後世に残し、

遺族の心の拠所としていく」ために、建てられたものだという。

単なる記念館ではないのだ。

「伝承鎮魂祈念館」という名前にも、その思いが

こめられている。

一番、印象に残ったのは、展示していた膨大なスナップ写真である。

行方不明の人々の生前の楽しそうな表情が

残されている。

この地域では、東日本大震災の津波で、

458人の命が、奪われたという。

行方不明者の写真が、引き取られずにあるということは、

家族ぐるみで被害にあったということを

物語っているのだろうか。

祈念館の外に、ブランコが赤さびたまま残っていた。

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by kitanojomonjin | 2015-11-21 16:27 | この国のかたち | Comments(0)

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先日、ラジオで、根深誠くんが、津軽百年の森づくりについて、

話していた。

彼は、地元弘前出身の登山家・作家で、白神山地の保護運動に

永年関わってきた。

いま、ブナを植える運動をしている。

少なくとも、ブナが成長するには、30年はかかるという。

そこで、彼のいう言葉が、面白かった。

このブナの成長を見とどけるために、

「死なないことにした」というのである。

ひとは、目標があれば、いくらでも、生きられるのではないか?

彼のことばを聞いて、そう思った。

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by kitanojomonjin | 2015-10-02 12:51 | この国のかたち | Comments(0)

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雑誌「東京人」の最新号は、「ヤミ市を歩く」という特集だった。

表紙は、上野のヤミ市の写真。

実に、迫力がある。

現在、江戸東京博物館館長の竹内誠さんが、

上野のヤミ市について語っていた。

竹内さんは、昭和21年4月、旧制上野中学に入学し、

当時のこの界隈のことをよく記憶してるという。

なかでも、鯨ベーコン。

「食べ物で印象に残っているのは、鯨ベーコンの塊。

外側の赤いのがぱっと目に飛び込んでくるんですね。」

当時、鯨ベーコンは、最も庶民的な食べ物のひとつだったという。

竹内さんは、その後の変化を語っている。

「やがて少しづつ世の中が落ち着くと、

ヤミ市の商品にも変化が現れてくる。

すいとんやふかし芋などが主流だった食べ物には

『シベリア』という名の菓子が登場し、

生活用品も職人が手間暇かけて作った製品が

ならぶようになり始めた。」

「これがモノづくり日本の復活の起点のなった」と

竹内さんはいう。

それにしても、はて、「シベリア」とはどんな菓子なんだろう。

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by kitanojomonjin | 2015-08-22 16:18 | この国のかたち | Comments(0)

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「何度か那覇にきたが、この町で、

平静な気持ちで夜をすごせたことがない。」

作家・司馬遼太郎さんの街道をゆくの

「沖縄・先島への道」の1節である。

それは、沖縄戦の記憶による。

「沖縄戦において、日本軍は首里を複郭陣地としたため、

ここで凄惨な最終決戦がおこなわれ、このため、

兵も石垣も樹も建造物もこなごなに砕かれた。

この戦いでは住民のほとんどが家をうしない、

約15万人の県民が死んだ。

沖縄について物を考えるとき、つねにこのことに到ると、

自分が生きていることが罪であるような物憂さが襲ってきて、

頭のなかが白っぽくなってしまい、つねにそうだが、

今もどうにもならない。」

司馬さんは、戦時中、

米軍が上陸するかもしれない九十九里浜や厚木の湿地帯にやらされたという。

「500万の住民が居住している関東平野に米軍が上陸した場合」を

想定していた。

「その事態が、50万の住民の住む沖縄本島でおこってしまった」のである。

しかもその現実は、悪魔の想像力でも及ばないほどに悲惨なものになった。

戦中派の万感の思いをこめて、司馬さんは書いている。

「条件でいえば、関東平野だけでなく、上陸地として予想されていた

中部地方の沿岸や南九州の沿岸においても、かわらない。

沖縄は、身代わりになった。」

沖縄の問題は、けっして、遠い問題ではないことを

痛感させられる。


ちなみに、あす13日(木)よる8時から、

沖縄戦の戦場の行政官のはなしが放送される。

“命どぅ宝” 沖縄県知事 島田叡からの伝言 
   8月13日(木)20:00~21:00 BSプレミアム

(再放送は、20日(木)あさ8時から、BSプレミアム)


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by kitanojomonjin | 2015-08-12 16:09 | この国のかたち | Comments(0)

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太宰治が、戦後発表した短編に、

「トカトントン」というのがある。

ラジオで、敗戦を知り、

死のうと思うと、

金槌でくぎを打つ音が

「トカトントン」と聞こえる。

そのあと、この「トカトントン」という

幻聴に悩ませられる。

それは、敗戦に至る道を検証しないまま

戦後の復興につきすすむ風潮を

嘲笑っているようでもあり、

一度挫折した人間の自己不信の通底音のようでもある。

なによりも、音が主役という点が、ユニーク。

じつに、不思議な、そして、気になる短編である。

作家の島田雅彦さんが、きょうの

毎日新聞で考察していた。(毎日新聞2015年8月1日付)

「玉音放送」公開の記事と並んでいるのも、

示唆的だった。



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by kitanojomonjin | 2015-08-01 09:14 | この国のかたち | Comments(0)

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京都大学の教授や学生が今月2日、

「自由と平和のための京大有志の会」を設立し、

声明書を発表した。

語りかけるような詩的な文章が若者たちの心をつかみ、

評判を読んでいるという。(東京新聞2015年7月15日付)

まさに、ことばの力である。


戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。

戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。

精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。

海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。

血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。

学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。

生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。

自由と平和のための京大有志の会

Appeal

A war begins under the name of defense.
A war benefits the weapon industry.
A war comes out of control immediately after it begins.

A war is more difficult to be finished than to be begun.
A war hurts not only soldiers but also the elderly and children.
A war damages the body, and goes deep inside the heart.

The human spirit is not to be manipulated.
Human life should be owned by nobody but oneself.

The sea should not be swamped by military bases.
The sky should not be defiled under the roars of war crafts.

We wish to live in a unique country that is proud of its wisdom, rather than a ‘normal’ country that esteems military contribution.

Scholarship is not a weapon of war.
Scholarship is not a tool of business.
Scholarship is not to serve power.

In order to protect and create a forum to live with the freedom to think, we must wholeheartedly strike the conceited government.

Kyoto University Campaign for Freedom and Peace

英文も、格調高い。

単に現在の社会を批判するだけでなく、

自分たちの学問の自治を宣言しているところに、決意のほどが伺える。

「学問は、戦争の武器ではない。
 学問は、商売の道具ではない。
 学問は、権力の下僕ではない。」

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by kitanojomonjin | 2015-07-15 17:22 | この国のかたち | Comments(0)

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「ビッグデータ・コネクト」で、近未来の日本の情報サスペンスを扱った

作家・藤井太洋氏が、マイナンバー制度に、疑問と警告を発していた。

(東京新聞・2015年6月20日付)

まず、第一番に、「安全設計が古すぎる」ということを

指摘する。

実際に,コンピューター業界で働いていた藤井氏は、

「30年前でも出来る制度で、あまりにも設計が古い」というのだ。

驚きである。

さらに、

「ビッグデータを利用して、それにマイナンバーがひもつけられると、

あらゆる情報が網羅された名簿が完成し、ちょっとしたクライシスが

起こる可能性がある」という。

この警告に、どのようにこたえるのか?

不安がつのる。


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by kitanojomonjin | 2015-06-29 15:31 | この国のかたち | Comments(0)

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先日の新聞によると、東京圏は、2025年に

介護ベッドが、13万不足するという。

「日本創生会議」の試算である。

そこで、「東京圏高齢者は、地方に移住を」と

呼びかけ、移住候補として、41地域を挙げている。

(東京新聞2015年6月5日付)

そのなかに、わがふるさと青森県弘前市も入っていた。

半分、うれしいような気もするが、

ちょっと待てよと思う。

突然、初めてのところに移住しても

決して、満足は、いかないだろう。

せっかくだから、高齢になる前に、

弘前に親しんでもらって、

第二のふるさととして充分、実感したうえで、

弘前に移住してほしいものである。



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by kitanojomonjin | 2015-06-07 19:57 | この国のかたち | Comments(0)

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大前研一の「低欲望社会」を読んだ。

このままでいくと、日本は、「国債暴落」と

「ハイパーインフレ」の道をたどるという。

「ハイパーインフレ」で、もっとも打撃が大きいのは、

年金生活者だという。

タンス預金・定額預金も紙屑同然になる。(p151)

恐ろしい話だが、時間の問題らしい。

なにしろ、出口戦略がなにも

立てられていないのだから。


ここは、大前氏のいうように、

腹を据えて、「移民も視野に入れた、世界からの人材確保」と

「あすのスティーブ・ジョブズを生み出す教育」の問題を

10年・20年スパーンで、考えなければ

いけないのかもしれない。

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by kitanojomonjin | 2015-05-21 09:29 | この国のかたち | Comments(0)