上海・横浜橋 2008年8月21日
2008年 08月 21日(ホテルの窓から上海の街・むこうのビルの陰にサッカー場が臨める)
(旧租界地は、下の古い建物の一角)
佐野眞一の「阿片王」というノンフィクションを読んでいる。
里見甫(さとみ・はじめ)という秋田県能代出身の男の
半生記である。
上海を拠点に、関東軍に代わって、阿片の売買に携わっていた。
こんな一行が目に入ってきた。
「ブルー・バード(ナイトクラブ)は、共同租界の虹口地区を
南北に貫く四川北路の、横浜橋という短い橋のたもとにあった。」
4月に、上海へ行ったとき租界跡をぶらぶらして、
確かに、「横浜橋」というのを見た。
名前は興味深かったが、周辺はあまりにも現代的に様変わりしていて
写真も取る気にならなかった。
あそこに、阿片王・里見甫の行きつけのナイトクラブが
あったとは!
そこのダンサー和田妙子の、里見についてのこんな証言も
記されていた。
「おっちゃんは酒は一適も飲まず、ハム・エッグばかり
注文する変わった人でした。」
まさに、怪物である。
でも、なにか憎めない稚気を感じさせられるエピソードだ。
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