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ザ・ポエット 2006年2月11日

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相変わらずマイクル・コナリーに嵌っている。

「ザ・ポエット」では、ジャック・マカヴォイという
新聞記者が活躍する。

著者のマイクル・コナリーも10年以上ロサンジェルス・
タイムスの記者をしていたと言うことで、その気分がよく
描かれている。

たとえばこんなくだり。

「記者の生活は、脱穀機のまえをつねに走りつづける
生活だ。
ときおり、人は機械のまえを走っているのに疲れてしまい、
足を止め、ばらばらに切り刻まれてしまうのだ。」

こんなくだりも、興味深い。

「この仕事をしていてひとつわかったことがあるとすれば、
どんなものにも、あらゆるものに、嗜好があり、そのための
市場がある、ということだ」

そして犯罪に、こんな装備が登場する。

「デジタル・カメラとコンピュータと、ファックスを送るのに
用いたのとおなじモデムがあれば、世界じゅうの
望むところにどこにでも写真を送ることができるんだ。」

この作品は、1995年に書かれている。
いまでは、日本でも当たり前になっているパソコン技術が
10年以上前に、アメリカではとっくに実現し、犯罪小説に
登場しているのだ。

さらに、ニーチェにでてくるというつぎのくだりは、
時代を、最も暗示している。

「怪物と戦う者はだれでも、その過程でみずからもまた
怪物にならないよう気をつけなければならない」

マイクル・コナリーからますます目を離せなくなった。


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by kitanojomonjin | 2006-02-11 17:01 | ブログ論