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怪談牡丹燈籠 2019年6月15日

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怪談牡丹燈籠を読んだ。

三遊亭円朝の有名な怪談噺である。

カランコロンとこまげたの音をさせて

美女の幽霊が、夜な夜な訪れる。

足がないのがふつうなのに、

ちゃんと足があるのが異色である。

ところが、読んでみて、その異色ぶりは

ほんの序の口であることがわかる。

幽霊が、愛する人の家に貼ってある

幽霊撃退のお札をはがしてくれと

たのみにくると、

100両だすなら、はがそうということになる。

幽霊を相手に、金の交渉をして、

結局、幽霊はなんと100両調達する。

こんな話聞いたことがない。

まさに、地獄のさたも金次第である。

幽霊からせしめた金で、悪と欲の物語が

延々と続く。

まさに、怖いのは、幽霊より、人間なのである。

「人間の業」ともいうべき、

おどろおどろしい世界がくりひろげられ、

読んでいて、息つく暇がない。

ある人は、明治の日本文学を10年

先取りしていると評した。

まさに、日本文学の傑作である。

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by kitanojomonjin | 2019-06-15 08:54 | カルチャー通信