奇才・河鍋暁斎 2019年2月14日
2019年 02月 14日実に、面白い。
河鍋暁斎というと、幕末から明治のかけて、狩野派絵師としても、
浮世絵師としても、知られている。
才能にあふれているために、サイドの偏屈な芸術家かと思ったら、大違いである。
異端の奇才ではなく、本流の奇才である。
彼の千変万化の奇才ぶりは、明治維新の変革期の日本そのものなのだ。
なかでも、興味深かったのは、「九相図」。
人間が死んだ後、死体が、膨張し、腐敗し、野鳥についばまれ、
しまいに、白骨になる。
「九相図」とは、9つの死の場面を凝視して、
悟りを得るという仏教古来の修行法だという。
変革期に、この古典的テーマを凝視した暁斎の気持ちは、
どんなものだったのだろう。