先日、神田の古本屋で、見つけた本。
巌谷大四の「文学のある東京風景」。
なかなか面白い。
東京を舞台にした100の小説を紹介している。
空間をどのように描写しているのか?
100人の作家それぞれのアプローチと力量が興味深い。
例えば、渋谷。
かつては、渋谷は、場末の盛り場だった。
安岡章太郎「自伝的旅行」の一節。
「道玄坂下の商家の北側は、川をまたいで建っている。
鈴井薬屋、誠文堂書店など、今でも名前が浮かんでくる
大きな店があるが、店内の板を踏むとごぼごぼ音がした。
下がすぐ川になっているからである。」
宇田川の流れだという。
知らなかった。
「ごぼごぼ」という音が、聞こえてくるようだ。
もっと、昔の渋谷付近を知りたいと思ったら、
大岡昇平の「少年」を読むといいという。
さらに、読みたくなる。
このように、文学に見る東京の100の光景が、紹介されている。