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ボンジュール・ニイハオ パリの中国料理店2005年7月4日

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うっとおしい梅雨である。
しばし、旅の思い出にふけることにしたい。

名刺入れに、1枚の店の案内のカードが入っていた。
その名も「大三元」。
パリ・カルチェラタンの一角にある小さな中国料理店。
ひょいと裏道に入ったところにある。

室内は、濃い赤のカーテンが下がっていて、
古いテーブルが5つ6つ。
まったく人気(ひとけ)がない。

店は、やっているのだろうかと不安になったころ
小柄な年配の男性が、カーテンの陰から、ひょうぜんと
現れる。

「ボンジュール・ニイハオ」
笑みをうかべ、もみ手をしてその実直そうな男は、
ひょうぜんと現れる。

とりあえず、青島ビールと水ギョーザと野菜の炒めたのを
一皿頼む。

「メルシィ」といって、その男は、カーテンの陰に消える。
ところが、この味がなかなかいいので驚く。

青島ビールは、ほどよく冷えて、水ギョーザは少し
皮が厚いのを除けば、いい味である。
パリでこんなおいしいギョーザを食べられるとは
思っていなかった。

パリでは、タイ料理やベトナム料理などのアジア料理が
美味である。
花のパリで鍛えられた味に、人生の苦労のスパイスが
加味されて、おいしい料理が生まれるのかもしれない。

店を出る時、カーテンの陰から、小柄な男が
ひょうぜんと現れて、「メルシィ・シェシェ」といって姿を消した。

あれから大分時がたったが、小さな中国料理店は、
まだちゃんとあるだろうか。

いつか機会があったらまた訪ねてみたいものである。



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by kitanojomonjin | 2005-07-04 18:18 | 旅の街角から