森(5)~津軽の詩人・月永亜夢~ 2012年8月10日
2012年 08月 10日津軽の詩人・月永亜夢の作品の続き。
森(5)
森は未来を必要としない
ただ過去だけで生きのびられる
過去にむかって枯葉は落ちつづけ 冬を迎えると
森はいよいよ外部をふさぎこむ
虫は黙り 鳥唄わず 獣眠り
生きのびようと森がもっとも利己的に凍りつくと
降りくる雪のすき間から
森がせっせと過去を磨いているのが見える
そして人間のように春を待つ心をもたないでいるうちに
樹液に磨かれた過去が春と接触すると
また新しい過去が昏く森をおし広げる
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