森(2)~津軽の詩人・月永亜夢~ 2012年8月7日
2012年 08月 07日津軽の詩人、月永亜夢の作品の続き。
森(2)
森には中心がない
どこまで行ってもそこが中心である
なのでいまだに忍び入ったまま出られないで
さまよっているものたちがいる その
神聖なる迷路にそそのかされた年月が
切り株の上にくっきりと年輪をつくる
そしていくら年輪を積み重ねても
空に触れることはなく ただ自らの皮膚に触れるだけである
多くの樹は虚しくおのれの血を嘗め
ときどき森は数千の獣の声で
呪詛の遠吠えを上げてみる
そのときいっせいに外へむけて飛び立とうとする静気がにおいだす
お読みいただいた記念にランキングをクリックしてください。
人気blogランキングへ