映写技師を射て 2011年4月1日
2011年 04月 01日古い本だが、寺山修司の「映写技師を射て」を
読んでいる。
映画論集である。
各論考の最初の1行がすごい。
「少年の飛行学」の冒頭。
「子供の頃、私は
『年老いた鳥はどこで死ぬのだろうか?』
という素朴な疑問にとり憑かれていた。
年老いた鳥は空の高所で静かに老衰してゆき、
飛びながら死んでいくのだろうか?」
また、こんな冒頭の一節もある。
「ひとは誰でも自分の映画を持っている。
それはスクリーンも映写機もなしで、
じっと壁を見つめているだけでうつし出されてくる
『時』の幻燈である。
少年時代の私は焼け跡の壁や白いノート、
誰もいない教室の黒板にはじまる『私の映画』を
待ちうけたものであった。」
やはり、寺山修司は、詩人であった。
冒頭の1行が、みごとな詩になっている。
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