<   2006年 04月 ( 13 )   > この月の画像一覧

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(桜散る野川・ブロギニストの散歩道から)

きのうラジオで、こんな話を聞いた。
北海道・小樽の港町。
坂の上に、そそりたった天狗山という山がある。
主人公は、学生時代、いつも考え事をする時、
天狗山を眺めていたという。

その彼が、東京に転校することになった。
そのとき、友達にいわれたという。
「転校したら、天狗山をみつけろよ」
それは、こころのシンボルのようなものになっていた。

ところが、関東に転校してきた彼は、360度
どこを見渡しても山らしいものは見えなかったという。

でもかれは、きっと心の中に天狗山をたいせつに
持っていたことだろう。

この話を聞いた時、ふと中学生時代の情景が
思い出された。

わたしの中学校は、弘前公園の中にあった。
公園の桜は、その数5000本ともいわれ、見事なものである。
春になると、一面の桜さくら。
桜吹雪が吹き、はらはらと花びらが止め処もなく散ると、
決まって心が物憂くなった。

いまでも、この季節になると、心穏やかではいられない。

人間は、みんな心の中にひとつの湖を持っている。
その湖が、哀しみでいっぱいになるとき、人は
呆然とたたずむ。
ひたひたと哀しみが満ち、こころをふさぐのを
なすすべもなく感じる。

時間が解決してくれる場合もある。

どうしようもなくなると、人は旅に出る。


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by kitanojomonjin | 2006-04-16 16:57 | カルチャー通信 | Comments(0)

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(桜散る野川・ブロギニストの散歩道から)

きょうは、いまから129年前(明治10年)
札幌農学校の教頭W.S.クラーク博士が
札幌を離れた日だという。

教え子たちが、札幌郊外・月寒村島松駅逓所まで
送ってきた。
クラーク博士は、ひらりと馬に乗って去っていった。
このとき有名な「少年よ、大志を抱け!」のスピーチが
あったという。

このスピーチの全体は、次のようなものである。

「少年よ、大志を抱け!」
この後、次のように続く。

「それは金銭に対してでも、自己の利益に対してでもなく、
また世の人間が名声と呼ぶあのむなしいものに
対してでもない。
人間が人間として備えていなければならぬ
あらゆることを成し遂げるために大志を抱け」

最後の行は、原文ではこうだ。
Be ambitious for the attainment of all that
a man ought to be.

大志を野心と訳す人もいるが、後段を読むと、
違うようだ。

また、冒頭のBoys,be ambitiousの後に、
like this old manという言葉がついていたと言う説がある。

「老人の私のように、志を持て」ということか。

もうひとつ、for christ(キリストのために)という語が
ついていたという説もあるが、定かでない。

いずれにしても、クラーク博士この時51歳。
2年にも満たない日本滞在にもかかわらず、
日本の青年のこころに忘れられない思い出を残した。
いったいそれは、何だったのだろう。

しいて言うと、アメリカのフロンテァ・スピリットの
発露だったかもしれない。
そこには、若きアメリカの精神が息づいていた。


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by kitanojomonjin | 2006-04-16 16:19 | カルチャー通信 | Comments(0)

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マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ・シリーズ
第5作「トランク・ミュージック」を読み終わったところだ。

舞台は、ラスヴェガス。

ラスヴェガスの街の描写がなかなかいい。

「ボッシュは事件でしばしばここにやってきていたが、
ラスヴェガスを好きだと思ったことは一度もなかった。

ここは、ロサンジェルスと近親関係にあるー
両方とも絶望した人々が駆けていく街だ。

ロサンジェルスから逃げ出すと、人はここにくるのだった。」

「ここには本能に訴える魅力がある。
金とセックスの大胆な見こみがある。

だが、最初のものは、破産の見こみであり、幻影であり、
次のものは、
危険と高額出資と、心身両面でのリスクに満たされている。
この街では本物のギャンブルがおこなわれているのだ。」

ところで、この第5作で、処女作「ナイトホーク」のヒロイン
エレノア・ウイッシュが登場する。

このシリーズに、登場するヒロインは、みな魅力的だ。

たとえば、「ブラック・アイス」のラスト。
シルヴィアとの別れの場面。

   「ジャズは好きかい?サクソフォンは?」
   シルヴィアは立ち止まり、ふりかえった。
   「とくにソロが好き」シルヴィアはいった。
   「寂しげで哀しげなものが」

   シルヴィアは背をむけ、車に歩いていった。
   芝生の絨毯を離れると、ハイヒールの音が
   アスファルトに響いた。

なかなかいきな幕切れである。


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by kitanojomonjin | 2006-04-14 15:23 | カルチャー通信 | Comments(0)

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(アイルランドのパブのギネス)

司馬遼太郎さんの街道をゆくの愛蘭土紀行に、
旅と酒についてのいいくだりがある。

「旅先では、一日が終わると、
一日の経験を酒に溶かし込んで飲んでおかないと
忘れる気がする。

ひょっとすると、人が酒を飲みにいくと言うのは、
仮の時間を限っての漂泊をしにいくのかもしれない。」

確かに、
一日の記憶を酒に溶かし込みたいと言う気分の時がある。

ただし、溶かし込みすぎると、すべて忘却のかなたになることも
しばしばだが。

その点、司馬さんは、実に気持ちいいお酒だった。
座談の名手の司馬さんを囲んで話はいつまでも途切れなかった。
通称「司馬千夜一夜」と言われていた。

ちなみに、きょうは、司馬遼太郎さんの月命日である。


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by kitanojomonjin | 2006-04-12 17:59 | 司馬遼太郎さん | Comments(0)

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NPO法人三内丸山縄文発信の会の機関誌
「縄文ファイル」の最新号が届いた。

巻頭の特集は、
「これからの三内丸山遺跡~諸外国の市民運動に学ぶ」

お話は、早稲田大学教授菊池徹夫先生。
イギリスのヨーヴイック・ヴァイキング・センターなどの
興味深い施設を紹介している。

新しいシリーズは、JOMON世界遺産への道。
岡田康博さんの執筆。
縄文遺跡の世界遺産への可能性を考える。

シリーズ「夢追う平成の縄文人」は、「こころ縄文人」を
提唱している照井勝也さんを紹介している。

関心のある方は、三内丸山縄文発信の会事務局まで。
     tel.017-773-3477


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by kitanojomonjin | 2006-04-07 21:04 | 縄文 | Comments(1)

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(岡田康博さん)

ミスター三内丸山こと岡田康博さんが、四年ぶりに
青森に帰ってくる。

3月24日付けの東奥日報紙によれば、
「文化庁文化財調査官として国に出向していた
岡田康博さんが、三内丸山遺跡対策室長として、
四月から」県教委に復帰することになった」という。

おめでとう。
お帰りなさい。

そして、これからの三内丸山をよろしく。

こころから、エールを送りたい。


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by kitanojomonjin | 2006-04-07 21:00 | 縄文 | Comments(0)

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(桜散り始める・ブロギニストの散歩道から)

アメリカの大リーグで、城島が開幕以来、
2ホームランを打った。

イチローが、それを評していった言葉がなかなか面白い。

「何かを超越しているのか、
無神経なのか、
どちらかはわからないが、
(日米で)野球はちがっても、空気やにおいを感じる
能力を持った選手だ。」

イチローのユーモア・センスはなかなかのものである。


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by kitanojomonjin | 2006-04-07 20:49 | カルチャー通信 | Comments(0)

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縄文アーチストの安芸早穂子さんから、
「JOMON御柱」という案内をいただいた。

長野の浅間縄文ミュージアムで、いま
「JOMON御柱」というイベントが行われている。
4月1日から16日まで。

中でも、興味深いのは、4月9日午後2時から
行われる講演会「縄文のまつり」。
お話は、民博の名誉教授小山修三さん。

このほか、「アートする縄文」と題して、安芸早穂子さんの
作品が展示されている。

浅間縄文ミュージアムの連絡先は、
tel.0267-32-8922

関心のある方は、お出かけを。


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by kitanojomonjin | 2006-04-07 17:40 | 縄文 | Comments(0)

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マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ・シリーズ
第四作ラスト・コヨーテを読み終わった。

ロサンゼルスの売春婦だった自分の母が33年前に
殺された。
その事件を追う。

解説で、北上次郎がいみじくも書いている。

「しかし、このようなシリーズが行き着く先は
どこなのだろうか。
本書を読み終わると、そう思わざるを得ない。

なかなか読ませるものの、語るべき未来を持たない男は、
ついにここまで遡らざるを得ないのかという感慨がある。

ボッシュはこの先いったいどこに向かうのだろうか。

ここから新たな物語が始まろうとしているのだろうか。」

それはさておき、ところどころに魅力的なくだりがある。

「その景色を見ると、たくさんのことを許せるし、
たくさんのことを忘れられる。
それがロサンジェルスについて肝要なことなんだ。

あの街には数多くの壊れたかけらがある。
だけど、いまも動いているもの、ほんとうに役に立って
いるものもあるんだ。」

またこんなくだりも、にくい。

「ラジオをつけ、DJがアビー・リンカーンの歌を
紹介するのを聞いた。
その歌を耳にするのははじめてだったが、
すぐに歌詞と女性歌手の低いしわがれた声が気に入った。

  一羽の鳥、空高く舞う
  曇り空を突き抜けて
  悲しみに満ち、心のこもった泣き声を上げながら
  荒れ地の上を舞いながら 」

大都会のけだるさが、伝わってくる。


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by kitanojomonjin | 2006-04-06 18:52 | カルチャー通信 | Comments(0)

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(すいせん・ブロギニストの散歩道から)

先日、王監督の二女理恵さんの話をラジオで聞いた。

WBCで、日本チームが、アメリカに悔しい負け方をした後
アメリカの父から、突然電話がかかってきたと言う。

敗戦の直後で、言葉は、弾まなかった。
理恵さんは、いつも、父から電話が来た時のために
連絡事項のメモを用意している。
それをもとに事務的な話をした。

野球の話は、一切しなかったという。

その時の様子をとても印象的な言葉で、
語っていた。

「父は、野球少年のようだった」

王監督にとって、釈然としない敗北だった。

監督のこころのなかに、ポッカリ穴が開いて、
ぴゅうぴゅうと風が吹き抜けたことだろう。

そんな時、電話をかけられる娘がいるということは、
幸せである。

しかも、娘は、いっさい野球の話をせず、
電話の向こうに「野球少年のような父」を感じる。

いい話である。


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by kitanojomonjin | 2006-04-05 19:39 | カルチャー通信 | Comments(0)