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東北学の子供たちのひとつ「会津学」を入手したので
読んでいる。

冒頭、野鍛冶と題して、鍛冶職人の写真とルポが
掲載されている。

野鍛冶とは、農具専門の鍛冶職人をさすらしい。
とにかく職人の顔がいい。

この冒頭でも分かるように「会津学」はズバリ
会津に生きるという特集を前面に立て、
聞き書きに徹している。

おそらくその決意は、巻頭の座談会での赤坂憲雄さんの
次のような発言にも支えられているのだろう。

「会津学も、できるなら聞き書きを土台にして形作られれば
いいなと、ひそかに考えています。」

「つまり、いろんな地域学があっていいと思いますが、会津という
土地にやって来て感じたのは、 (中略)
人々の暮らしの風景とモノがあり、そして文献がある。
ある意味では会津は、選ばれた土地であると感じました。」

「こうした土地で聞き書きをベースにした会津学が
繰り広げられていくときに、おそらくいろんなことが
始まるだろうと感じます。」

かくして279ページに及ぶ「会津学」は、その厚さにおいても
聞き書きに徹した中味の迫力においても、
スゴミのあるものとなっている。


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by kitanojomonjin | 2005-12-30 17:13 | カルチャー通信 | Comments(0)

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(総決算の年来る・ブロギニストの散歩道より)

「団塊によって日本社会のあり方が変わる」
と指摘するのは、評論家の寺島実郎である。

去年の11月28日付の日経新聞のコラムで彼は、
語っている。

「最近、団塊の男がそば打ちをしたり、夫婦で山歩きなどと
気持ちが内側に向き始めている。」

「そば打ちも山歩きも悪くはないが、打ちながら歩きながら
社会のためにやることがあるだろう。」

「だれかが額に汗して、公を支えないといけない。
地域社会での教育・環境・文化などの活動は、
市場メカニズムでは解決できないものがいっぱいある。
そこに、今まで恵まれてきた世代が気付くかどうか。」

「団塊にとって日本社会のあり方が変わると言ったのは、
その意味である。」

辛口の団塊の世代へのメッセージであるが、
耳を傾けるべき点が多いと思う。

今年は、団塊の世代にとっても、小生にとっても
総決算の年になりそうである。


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by kitanojomonjin | 2005-12-30 16:46 | カルチャー通信 | Comments(0)

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「ゆきのまち通信」の最新号が届いた。
北海道の函館の特集である。

その中に、「胃袋の宣教師」のキャッチ・フレーズで
カール・レイモンの名を見つけた。

懐かしい名前である。

函館の手作りハム・ソーセージ屋さんの名で
有名である。

なぜドイツ人のカール・レイモンさんが、函館で
ハム・ソーセージを作るようになったのか、
そのいきさつは、なかなか面白いものだった。

レイモンさんは、1894年オーストリアボヘミア地方の
カルルスバード(現在のチェコ)で、食肉加工職人の
家庭に生まれたという。

ドイツ・アメリカ・フランス・スペイン・ノルウェーで修行し、
たまたま立ち寄った日本で出会った日本女性と
駆け落ち結婚をする。

その後、函館に移住し、1987年93歳で亡くなるまで
手作りのハム・ソーセージを作り続けた。

そのハムは、無添加にこだわるため一ヶ月以上、サラミは、
二ヵ月半から三ヵ月半かかるという。

運命的な奥さんとの出会いと、生涯職人に徹した彼の人生は、
彼の手になるハム・ソーセージのように、
実に味わい深いものである。

函館は、今頃一面の銀世界だろう。

このエピソードとともに、本年のブログは打ち止めとします。

良いお年を。


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by kitanojomonjin | 2005-12-30 15:53 | カルチャー通信 | Comments(0)

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「こころ縄文人」の提唱者である照井勝也さんから、
「利根町の巨木とタブノキ」という本をいただいた。

「内容は2年間かけて町内をくまなく調査した結果を
本にしたものです」とあった。

なぜタブノキなのだろうか。

それは、この本の植物研究家渡邊剛男の解説に詳しい。

要約すると、
「タブノキはクスノキ科の常緑広葉樹です。」
「シイ、カシ、タブノキ、ヤブツバキなどは照葉樹林として
欠かせない樹木です。」

さらに、
「タブノキ林は沿海地に多く暖帯植物の代表的な樹木です。」
とある。


房総半島の暖かな海岸沿いに昔からタブノキの林が
茂っていたことだろう。
それは、おそらく縄文の時代までさかのぼると思われる。

次の記述からそれが読み取れる。
「縄文時代から丸木舟として活躍したと思われます。」

「タブノキの名の由来は、朝鮮半島で丸木舟を
tong-baiといい、転化してタブです。」

「古代の信仰で対象となった大きな樹木が
霊(たま)の木であり、
それがタモ、タブと変化したとも思われます。」

黒潮の暖流の沿海地域。
照葉樹林の代表的な木。
縄文時代の丸木舟の素材。
そして、霊木の名の由来。

タブノキをめぐるそれぞれの要素が、
縄文時代の人々のくらしと祈りに結びついているようだ。

「こころ縄文人」を提唱する照井さんを引きつける
背景もこの辺にあるのだろう。


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by kitanojomonjin | 2005-12-28 20:59 | 縄文 | Comments(2)

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9.11以降世界は、どこへ行ってしまうのだろう。

そんな疑問に、国際政治学者・入江昭は、近著
「歴史を学ぶこと」の末尾で答えている。

たしかに、国際社会は9.11以降、アメリカによって
引きずり回されてきたかの印象がある。

ただ、アメリカの力にも限界がある。
その例として、北朝鮮に対する六カ国協議を挙げる。

「米国の軍事力・経済力には限度がある。
何から何まで単独行うわけには行かないことが、
しだいに明らかになっていることにも注目すべきである。

北朝鮮の核開発問題で、米国が単独で対応しようとせず、
中国、日本、韓国、ロシアと足並みをできるだけそろえようと
したのは、その好例である。」

では、これからの国際社会を大きく動かすファクターはなにか?

「現代史を理解するうえで、同時多発テロ事件だけに
関心を抱くのは間違っている。
これからの世界がどのように動いていくにせよ、
9.11以後という枠組みではなく、1970年代以降の
現代史という観点で理解すべきだろう。」

1970年代以降の現代史の傾向として、筆者は次の特徴を挙げる。

「国家が絶対的な命題、すなわちすべての人間にとっての
アイデンティティの根源だった時代は過去のものとなったと
いえるのではないか。

ひとりひとりの人間にとって、国家のほかにも民族、宗教、文明、
そして家族、地方自治体、地域共同体など、実に多くの存在が
意識されるのであり、さらにINGO(国際非政府団体)やMNC
(多国籍企業)など、国家とは別個の組織が日常の生活に
関与してくる可能性もきわめて大きいのである。

9.11のテロ事件も、そのような現代の根本条件を
変えることはできなかった。
むしろトランスナショナルなつながりの重要性を
一層明らかにしたのだといえる。」

いまわれわれは、国と国とのあいだの関係(インターナショナル・
リレーションズ)としてよりも、
国境を越えたモノ・ヒト・カネ・サーヴィスの関係へ、
トランスナショナル・リレーションズへと変貌し始めている
というのが眼目である。

傾聴に値する意見である。


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by kitanojomonjin | 2005-12-25 14:24 | カルチャー通信 | Comments(0)

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「モーツァルトと日本人」という本を読んだ。

スイスの神学者カール・バルトのことばが、
紹介されている。

「天使たちが神を賛美しようとして、ほかでもない
バッハの音楽を奏するかどうか、
これには絶対に確信は持てない。

けれども、彼らが仲間うちで相集まったときには、
モーツァルトを奏し、
そのとき神様もまたその楽の音を殊のほか悦んで
傾聴なさること、これは確かだ」

なるほど。
うまいことをいう。

ところで、日本人のモーツァルト観を決定づけたのは、
やはり小林秀雄だろう。

かくいう私も、小林秀雄に良くも悪くも毒されていた。
この本を読むと、そのことがよく分かる。

ただ、小林秀雄のいう「モーツァルトの音楽の魅力は、
その自由の境地にある」とか、
「そこにモーツァルトのかなしさが現れる」という
ところは、あいかわらずすこしも色あせていない。

ところが、河上徹太郎から、次のような批判があったことは、
知らなかった。

「小林秀雄のモツァルト論は、私の眼に触れたあらゆる内外の
論文の中で最も優れた、又私の気持に近いものであるが、
ただその議論の中で表面上私のうけ入れられないことは、
モツァルトをあくまで器楽作者として純粋に立てるために、
彼のオペラをそのシンフォニーの下位に置くことである。」

モーツァルトのオペラをすこし研究してみたい。

ちなみに、来年は、モーツァルト生誕250年の節目の年である。
来年は、仕事でいろいろモーツァルトに振り回されることになりそうだ。


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by kitanojomonjin | 2005-12-23 16:26 | カルチャー通信 | Comments(0)

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(朝の畑・ブロギニストの散歩道から)

先週の縄文塾での菊池徹夫先生のお話の続き。

先生は、しみじみといわれた。

「今の子供にとって、サザエさんの時代ですら 、はるかに
遠い時代になってしまった。
太古の人々から、サザエさんの時代までは、脈々と
つながるものがあったはずなのに。

今の子供たちは、驚くほど生活の実感をなくしている。」

かくして、今の子供にとって、サザエさんの時代以降
大きな溝があるという。

子供たちに、生活の実感を味わってもらうために、
前回紹介したようなさまざまな歴史体験センターが
浮かび上がってくる。

菊池先生の夢は、現代からさかのぼっていく歴史体験村である。

たとえば、
サザエさんの時代の村
明治の村
江戸の村
中世の村

と、いろいろあって、最後は縄文の村にたどりつく。

結論として、きのう触れた2つのことが導き出される。

「子供たちに、歴史のタテの異文化接触を体験させたい」

「子供たちに、サザエさんの時代まであった生活の原点を
実感してもらいたい」

それにしても、サザエさんの時代は、随分遠くなってしまったものだ。



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by kitanojomonjin | 2005-12-21 13:45 | 縄文 | Comments(0)

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(ライエ・エクスペリメント・センターのホームページ)
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(古代人の服装の女の子)
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(弓を射る方法を教わる男の子)
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(広大な歴史村の地図)

先週の縄文塾で、早稲田大学の菊池徹夫教授が
紹介したもうひとつの機関が、デンマークの
ライエ・エクスペリメント・センター。

子供たちに太古の人々の生活を実地に体験させよう
というものだが、とてつもなく大掛かりなものである。

地図をご覧いただきたい。
石器時代の村から、鉄器時代の村、農場、土器造りの場所まで
広大な敷地の中にそっくり作られている。

一度、行ってみたいものだ。

菊池徹夫先生は、このような施設の必要性として
次の2点を挙げる。

まず、タテの異文化接触の場として貴重である。

次に、子供に、人間生活の原点を見せることが出来る。

どんどん厳しい状況にある日本の子供たちにこそ
このような場は必要ではないだろうか。

ホームページのアドレス
   http://www.english.lejre-center.dk/


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by kitanojomonjin | 2005-12-20 16:28 | 縄文 | Comments(0)

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(ヨービック・バイキング・センターのホームページ)
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(遺跡の実地体験よびかけのチラシ)
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(同上)

先週の金曜日、三内丸山縄文発信の会の東京支部の
例会・縄文塾があった。

早稲田大学の菊池徹夫教授が、「これからの三内丸山」と
題して、欧米の市民運動の実例を紹介された。

とても興味深かったのは、イングランドのトラスト運動の
ひとつ、ヨービック・バイキング・センター。

バイキングゆかりの住まい造りや、土器造りを子供たちにさせる。
さらに、ハンズオンアーケオロジーといって、子供たちに、
遺跡発掘の体験をさせる。
また大人向けにも、インタラクティブ・スタッフがどんな質問にも
答えるという魅力的な機関である。

写真を見るだけでも、子供たちが、とてもいきいきして
楽しそうだ。(つづく)

詳しくは、ホームページを覗いてみてください。
http://www.jorvik-viking-centre.co.uk/


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by kitanojomonjin | 2005-12-19 14:41 | 縄文 | Comments(1)

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増田真樹著の「超実践!ブログ革命」という本を
読んでいる。

「ブログは、十年後の自分への手紙」という
味わい深いことばを見つけた。

ブログと時間について、考察されている。
ブログをやってみて、なるほどと実感されるところがある。

たとえば、次のようなくだり。

「ブログは長い時間をかけて、コツコツ積み上げていくことで
魅力が増すメディアです。」

「ブログという空間の中は、ブロガー自身の思い出で
埋め尽くされているだけでなく、時間を超え
ブロガーの記憶をたどる道しるべをさかのぼることが
可能になります。
この空間を訪れた人は、ブログを単なるコンテンツとして
閲覧するだけでなく、しばしその過ぎ去った時間の流れを
感じることになります。」

このブログの空間の中にただよう時間が、
「なぜ十年後の自分への手紙」につながるのか。

それは、次回に触れたい。


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by kitanojomonjin | 2005-12-16 11:04 | ブログ論 | Comments(0)