カテゴリ:この国のかたち( 88 )

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先日、ラジオで

脚本家の倉本聰さんが、

歌手の加藤登紀子さんが歌っている

「神隠しされた街」を紹介していた。

歌詞の原作は、福島県南相馬市に住む

若松丈太郎さんという詩人である。

こんなふうにはじまる。


「四万五千の人びとが二時間の間に消えた

サッカーゲームが終わって競技場から立ち去った

のではない

人びとの暮らしがひとつの都市からそっくり消えたのだ」


てっきりこれは、3.11のことだと思う。

ところが、これは、17年前に、

詩人若松丈太郎さんが、チェルノブイリを訪ねて

つくった詩だった。

詩人の想像力は、恐るべきものだった。


「原子力発電所中心半径三〇kmゾーンは危険地帯

・・・・・・・・・

東京電力福島原子力発電所を中心に据えると

双葉町 大熊町 富岡町

楢葉町 浪江町 広野町

川内町 都路村 葛尾村

小高町 いわき市北部

そして私の住む原町市がふくまれる

・・・・・・・・・

私たちが消えるべき先はどこか

私たちはどこに姿を消せばいいのか」


くりかえし言っておかなければならない。

これは、3.11の17年前に、

チェルノブイリを訪ねた詩人の

想像の世界である。

それが、いま現実のものとなっている。


この想像力をなぜ、科学者も政治家も

そしてわれわれも持てなかったのだろうか。

暗然とする。


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by kitanojomonjin | 2015-01-24 12:32 | この国のかたち | Comments(0)

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10月13日に、北海道新幹線の車両が、

神戸から船で運ばれ、

函館に、上陸したという記事が出ていた。

「H5系」というこの車両は、

現在の東北新幹線と同型の車両だが、

違いは、中央のラインの紫色。

ラベンダーやライラックの花をイメージ

しているという。

ところで、素朴な疑問。

新幹線の車両をなぜ新幹線で運ばず、

船で運ぶのだろうか?

さまざまの憶測が飛んでいる。

神戸の工場で製造した車両を

北海道まで運ぶには、

いろんなクリアすべきルールがあるようだ。

東海道新幹線は、荷物扱いの車両を

運べないとか、

青函トンネルが、新幹線用に工事が進んでないとか。

しかし、根本的なネックは、

東海道新幹線と、東北新幹線が

相互乗り入れしていないということにあるらしい。

新幹線は、最終的に日本列島を縦断するという構想なのに

2つの新幹線が、繋がっていないのは、不思議なことだ。


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by kitanojomonjin | 2014-10-30 13:34 | この国のかたち | Comments(0)

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政治学者・丸山真男について、

あす19日(土)Eテレで23時から90分放送される。

今月土曜日に放送されている「知の巨人たち」の

シリーズのひとつである。

なぜ丸山真男か?

前回放送の鶴見俊輔の回で、彼が発言している。

「第二次大戦の戦争に巻き込まれず、理性を

保っていた人」の一人だという。

ちなみに、「理性を保っていた人」として、

丸山真男のほかに、

武谷三男(物理学者)、渡辺慧(物理学者)

都留重人(経済学者)、武田清子(思想史学者)

をあげている。

丸山真男をどのように描くのか楽しみである。

さらに、来週の土曜日(26日)は、司馬遼太郎が

登場する。

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by kitanojomonjin | 2014-07-18 12:45 | この国のかたち | Comments(0)

日本の穴 2014年7月4日

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成田のお寺のご住職のところに、

中東の報道機関アルジャジーラの記者が

取材に来たという。

「日本人の孤独死 3万2000人
 
 日本人の自死  3万3000人

 あわせると、  6万5000人になる。

これは、中東の紛争国の戦死者よりも多い。

きっと、日本のどこかに大きな穴が

あいているに違いない。」

2014年2月15日付の東京新聞に

載っていた話である。


なんとなく景気がよさそうに見える中で、

日本の穴はふさがったのだろうか?

根本的な治療が必要のような気がするのだが。


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by kitanojomonjin | 2014-07-04 14:36 | この国のかたち | Comments(0)

医は仁術 2014年6月6日

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上野の科学博物館に

「医は仁術」という

展覧会を見にいってきた。

なんと、そこに、松本良順とポンペの

姿を写した写真を

みつけた。

向かって、右の外国人が、ポンペ。

その向かいの坊主あたまが、良順である。


幕末、日本の長崎で最初の市民病院を作ったのが、

オランダ人医師ポンペと日本人医師松本良順だった。

ちょうど、司馬遼太郎の「胡蝶の夢」を読んで

いたところなので、とても、興味深かった。


「胡蝶の夢」は、蘭方医・松本良順の数奇な運命を

たどった傑作である。


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by kitanojomonjin | 2014-06-06 12:46 | この国のかたち | Comments(0)

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憲法記念日のきょう、

毎日新聞が、「五日市憲法草案」を

企画記事で、紹介していた。


自由民権運動の時代、全国で、競って

数多くの独自の憲法草案が作られた。

その中でも、明治14(1881)年の

五日市憲法草案は、人権感覚では、

現憲法にも引けを取らない草案として

有名である。


この発見のいきさつが、面白い。

1968年、五日市町(現あきるの市)の民家の

蔵の中から、発見されたという。


この草案を書いたのは、

宮城県出身で、当時小学校の教諭をしていた

千葉卓三郎と地元の農民有志だった。

まだ、憲法が手の届く距離に感じられた時代だった。


日本の民権運動のこころざしの高さは、

注目に値する。


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by kitanojomonjin | 2014-05-03 15:23 | この国のかたち | Comments(0)

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藻谷浩介氏の「しなやかな日本列島のつくりかた」

という本を読んだ。

いま、日本列島は、さまざまなジャンルで

壁にぶつかっている。

しかし、現地では、魅力的な取り組みが

リアルに進められている。

藻谷氏が、7つのジャンルについて、

7人の人物にインタビューしたものを

まとめたもの。

・商店街

・限界集落

・観光

・農業

・医療

・鉄道

・まちづくり

いづれも、へーという

眼からウロコのお話。

現実は、確実に様変わりしている。

それを冷静に観て、格闘している人がいる。

藻谷氏は、現地のそうしたひとびとの

アイデアを「現智」と名づけ、

いまこそ「現智」に、耳をかたむけよう

と呼びかける。

くらい日本列島の突破口のヒントがここにある。

必見!

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by kitanojomonjin | 2014-04-30 12:33 | この国のかたち | Comments(0)

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川本三郎の「今ひとたびの戦後日本映画」を

読んだ。

20年前に、出版されたものを

神保町の古本屋でみつけた。

本の腰巻に、

「なぜ田中絹代や原節子は

あんなに美しかったのか」とある。

著者は、あとがきで、その答えとして、

戦争の影が大きく影響しているのではという。


「それは、彼女たちが、彼女たちだけが、

生きていてよかったという喜びと

死んだ人たちに申し訳ないという悲しみを

かろうじて重ね合わせることが出来たために思えて

ならない。」


なるほど。

映画「東京物語」の、戦争で夫を亡くした妻の

原節子も美しかった。

映画「風の中の牝鳥」で、子どもの薬代のために

身体を売る田中絹代も、美しかった。


美しくも凛々しい彼女たちの魅力の源は、

そのへんにあったのか。




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by kitanojomonjin | 2014-04-16 11:12 | この国のかたち | Comments(0)

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先日、上野の森美術館に

遠藤彰子展を見にいってきた。

最終日のせいだろうか?

大勢の観客が。

カタログも、売り切れ。

盛況である。

1980年代、

ゆがんだ街で、子どもたちが

疾走するテーマが多かった。

いま、改めてみると、

それは、平成のふつうの現実のように

見えて、最初の衝撃は、

あまり感じられない。

現実が、彼女の絵に追いついたのか?


その後、彼女の絵のテーマは、

「ゆがんだ街」から、

「天空」へ「大海原」へと広がり、

渦をなす大群衆が、描かれるようになった。


なぜかひとびとの表情は、

おだやかで、恍惚感にあふれている。

なにか宗教的な世界すら感じさせられる。

ミケランジェロの21世紀版のような感もある。


あいかわらず、彼女のエネルギーは、

とどまるところを知らない。


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by kitanojomonjin | 2014-01-29 12:51 | この国のかたち | Comments(0)

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和田竜の「村上海賊の娘」上・下巻を

読んだ。

すこぶるつきに、面白い。

瀬戸内海の海賊衆・村上水軍のなかに、

女の海賊がいたという想定で展開する

海洋大スペクタクルである。

といっても、まったくの架空ではなく、

可能な限り史実をふまえている。

本願寺を包囲する織田軍に対して、

村上海賊が、兵糧を届ける

いわゆる木津川合戦が、

中心である。

陸の武士とはひと味もふた味も違う、海賊の気分が

実によく描かれている。


なによりも、

息付く暇がない海戦の描写に圧倒される。

おすすめ。


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by kitanojomonjin | 2014-01-25 12:23 | この国のかたち | Comments(0)