カテゴリ:この国のかたち( 87 )

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太宰治が、戦後発表した短編に、

「トカトントン」というのがある。

ラジオで、敗戦を知り、

死のうと思うと、

金槌でくぎを打つ音が

「トカトントン」と聞こえる。

そのあと、この「トカトントン」という

幻聴に悩ませられる。

それは、敗戦に至る道を検証しないまま

戦後の復興につきすすむ風潮を

嘲笑っているようでもあり、

一度挫折した人間の自己不信の通底音のようでもある。

なによりも、音が主役という点が、ユニーク。

じつに、不思議な、そして、気になる短編である。

作家の島田雅彦さんが、きょうの

毎日新聞で考察していた。(毎日新聞2015年8月1日付)

「玉音放送」公開の記事と並んでいるのも、

示唆的だった。



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by kitanojomonjin | 2015-08-01 09:14 | この国のかたち | Comments(0)

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京都大学の教授や学生が今月2日、

「自由と平和のための京大有志の会」を設立し、

声明書を発表した。

語りかけるような詩的な文章が若者たちの心をつかみ、

評判を読んでいるという。(東京新聞2015年7月15日付)

まさに、ことばの力である。


戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。

戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。

精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。

海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。

血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。

学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。

生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。

自由と平和のための京大有志の会

Appeal

A war begins under the name of defense.
A war benefits the weapon industry.
A war comes out of control immediately after it begins.

A war is more difficult to be finished than to be begun.
A war hurts not only soldiers but also the elderly and children.
A war damages the body, and goes deep inside the heart.

The human spirit is not to be manipulated.
Human life should be owned by nobody but oneself.

The sea should not be swamped by military bases.
The sky should not be defiled under the roars of war crafts.

We wish to live in a unique country that is proud of its wisdom, rather than a ‘normal’ country that esteems military contribution.

Scholarship is not a weapon of war.
Scholarship is not a tool of business.
Scholarship is not to serve power.

In order to protect and create a forum to live with the freedom to think, we must wholeheartedly strike the conceited government.

Kyoto University Campaign for Freedom and Peace

英文も、格調高い。

単に現在の社会を批判するだけでなく、

自分たちの学問の自治を宣言しているところに、決意のほどが伺える。

「学問は、戦争の武器ではない。
 学問は、商売の道具ではない。
 学問は、権力の下僕ではない。」

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by kitanojomonjin | 2015-07-15 17:22 | この国のかたち | Comments(0)

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「ビッグデータ・コネクト」で、近未来の日本の情報サスペンスを扱った

作家・藤井太洋氏が、マイナンバー制度に、疑問と警告を発していた。

(東京新聞・2015年6月20日付)

まず、第一番に、「安全設計が古すぎる」ということを

指摘する。

実際に,コンピューター業界で働いていた藤井氏は、

「30年前でも出来る制度で、あまりにも設計が古い」というのだ。

驚きである。

さらに、

「ビッグデータを利用して、それにマイナンバーがひもつけられると、

あらゆる情報が網羅された名簿が完成し、ちょっとしたクライシスが

起こる可能性がある」という。

この警告に、どのようにこたえるのか?

不安がつのる。


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by kitanojomonjin | 2015-06-29 15:31 | この国のかたち | Comments(0)

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先日の新聞によると、東京圏は、2025年に

介護ベッドが、13万不足するという。

「日本創生会議」の試算である。

そこで、「東京圏高齢者は、地方に移住を」と

呼びかけ、移住候補として、41地域を挙げている。

(東京新聞2015年6月5日付)

そのなかに、わがふるさと青森県弘前市も入っていた。

半分、うれしいような気もするが、

ちょっと待てよと思う。

突然、初めてのところに移住しても

決して、満足は、いかないだろう。

せっかくだから、高齢になる前に、

弘前に親しんでもらって、

第二のふるさととして充分、実感したうえで、

弘前に移住してほしいものである。



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by kitanojomonjin | 2015-06-07 19:57 | この国のかたち | Comments(0)

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大前研一の「低欲望社会」を読んだ。

このままでいくと、日本は、「国債暴落」と

「ハイパーインフレ」の道をたどるという。

「ハイパーインフレ」で、もっとも打撃が大きいのは、

年金生活者だという。

タンス預金・定額預金も紙屑同然になる。(p151)

恐ろしい話だが、時間の問題らしい。

なにしろ、出口戦略がなにも

立てられていないのだから。


ここは、大前氏のいうように、

腹を据えて、「移民も視野に入れた、世界からの人材確保」と

「あすのスティーブ・ジョブズを生み出す教育」の問題を

10年・20年スパーンで、考えなければ

いけないのかもしれない。

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by kitanojomonjin | 2015-05-21 09:29 | この国のかたち | Comments(0)

巨鯨 2015年5月20日

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若冲のクジラである。

興味深いのは、背びれが描かれていること。

江戸時代、クジラは、魚と考えられていたらしい。
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  ところで、最近の日本では、巨大なクジラが跋扈している。

  株価2万円は、5頭のクジラが買い支えているという。

  (東京新聞・2015年4月11日付)

 そのクジラとは、

①日銀②GFIF③三つの共済年金④ゆうちょ銀行⑤かんぽ生命

 だという。

願わくば、このクジラが、大暴れして、庶民の暮らしを台無しに

することのないよう、切に祈りたい。

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by kitanojomonjin | 2015-05-20 16:39 | この国のかたち | Comments(0)

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きょうの毎日新聞に、元世界銀行総裁の西水恵美子さんの

「目に見えない貧困」というコラムが載っていた。

まず、ブータンの若い国王の「貧困は見えにくい」

ということばが、紹介されていた。

遠いブータンの話しかと思うと、ひるがえって、日本の話しになる。

山道を2時間もかけて、飲み水を汲みに行くとか、

あす食べるものがないというのは、比較的、目に見える貧困である。

絶対的貧困といわれる。

これに対し、相対的貧困は、輪をかけて「目に見えにくい」。

にわかには、信じがたいが、日本では、この四半世紀、

相対的貧困層が、増加しているのだとか。

具体的にいうと、年間所得122万円以下(月収10万前後)で暮らす世帯が、

人口の16パーセントをしめている。

これは、先進国の中で、最悪の数字だという。


どう受け止めればいいのか?

社会のセーフティネットが崩壊しているのか?

見えにくい貧困を見極めること、

それが、この国の将来を考えるうえで、

もっとも、大事なことのようだ。

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by kitanojomonjin | 2015-03-22 11:28 | この国のかたち | Comments(0)

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けさの東京新聞に、

金閣寺住職・有馬頼底氏の

高浜原発に対するコメントが

載っていた。

「国は『原発は安全』と言ってきたが

うそだった。(中略)

いったん事故が起きれば、大変なことになる。

金閣寺を万一の原発事故で

失うわけにはいかない。」

金閣寺は、福井県の高浜原発から、

60キロ圏にあるという。


地図をよく見ると、

金閣寺をはじめ、

龍安寺、北野天満宮と並んで、

京都御所の半分も60キロ圏に入っている。


有馬氏のことばは、

京都がこの1200年、

常に、時の権力にさからっても

安寧を求めてきたしたたかさを

感じさせる。

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by kitanojomonjin | 2015-02-13 13:38 | この国のかたち | Comments(0)

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2月7日(土)大阪で、

第19回菜の花忌シンポジウムがあった。

早いもので、作家司馬遼太郎さんが

お亡くなりになって、20年近くなる。

今年のシンポジウムのテーマは、

「乱世から乱世へ―『城塞』から考える」

大坂の陣400年のタイミングにあわせた

テーマである。

パネリストは、

安藤忠雄さん(建築家)

伊東潤さん(作家)

磯田道史さん(歴史家)

そして、歴史フアンの

女優・杏さん。

会場の大阪ホールは満杯だった。



いまだに、おぞましい人の殺し方が横行する21世紀。

人間は、中世の狂気から、

脱却できないのか?


司馬さんが、健在だったら

なんとおしゃるのか?


乱世ともいうべき現代についても、

スリリングな発言が、飛び交った。


この模様は、

3月7日(土)午後2時 Eテレ「テレビシンポジウム」で

紹介される予定。

必見である。

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by kitanojomonjin | 2015-02-09 12:37 | この国のかたち | Comments(0)

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先日、ラジオで

脚本家の倉本聰さんが、

歌手の加藤登紀子さんが歌っている

「神隠しされた街」を紹介していた。

歌詞の原作は、福島県南相馬市に住む

若松丈太郎さんという詩人である。

こんなふうにはじまる。


「四万五千の人びとが二時間の間に消えた

サッカーゲームが終わって競技場から立ち去った

のではない

人びとの暮らしがひとつの都市からそっくり消えたのだ」


てっきりこれは、3.11のことだと思う。

ところが、これは、17年前に、

詩人若松丈太郎さんが、チェルノブイリを訪ねて

つくった詩だった。

詩人の想像力は、恐るべきものだった。


「原子力発電所中心半径三〇kmゾーンは危険地帯

・・・・・・・・・

東京電力福島原子力発電所を中心に据えると

双葉町 大熊町 富岡町

楢葉町 浪江町 広野町

川内町 都路村 葛尾村

小高町 いわき市北部

そして私の住む原町市がふくまれる

・・・・・・・・・

私たちが消えるべき先はどこか

私たちはどこに姿を消せばいいのか」


くりかえし言っておかなければならない。

これは、3.11の17年前に、

チェルノブイリを訪ねた詩人の

想像の世界である。

それが、いま現実のものとなっている。


この想像力をなぜ、科学者も政治家も

そしてわれわれも持てなかったのだろうか。

暗然とする。


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by kitanojomonjin | 2015-01-24 12:32 | この国のかたち | Comments(0)