カテゴリ:この国のかたち( 84 )

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先日、ラジオで、俳優の相澤一成さんが、ふるさとの

宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)で、3.11にちなんだ

朗読劇「ファミリーツリー」を発表したことを話しておられた。

登場人物のすべてが、地元の人々で、地元の言葉で、語り合う群集劇である。

最後は、この地に伝わる「閖上(ゆりあげ)大漁節」の

大合唱で終わるという。

「閖上(ゆりあげ)大漁節」というのは、

“今朝の日和は 空晴れ渡り 波静か またも大漁だ”

といった歌詞で、節は大漁唄いこみの系統のものだという。

かつお漁の大漁を祝って

網元や船主の家で手振りもにぎやかに歌ったもので、

いつしかこの地区のひとのこころの絆のうたになっている。

実は、朗読劇「ファミリーツリー」に登場するほとんどのひとびとは、

かつてこの地区に住んでいて、東日本大震災の津波で

亡くなった人たちだった。

生きているものと、死んだものとの交流に

ふるさとの歌が大きな役割を果たしているのは、

とても象徴的である。

歌の力とでも言おうか。

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by kitanojomonjin | 2017-03-15 13:55 | この国のかたち | Comments(0)

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先日、女優の奈良岡朋子さんが、ラジオで

72年前に見た桜の思い出を話しておられた。

昭和20年3月東京大空襲。

その数ヵ月後、焼け野原になった東京を後にして

彼女は、青森県の弘前市の高校に転校する。

いまの弘前中央高校である。

その正門を入ったところに、

大きな桜の木が爛漫と花を付けていた。

その根元には、緑の草がはえ、小さな黄色い花を

つけていたという。

北国では、桜の花と緑の草花がいっせいに花を付ける。

東京大空襲の殺伐とした光景を見てきた彼女には、

それは、とても自然が輝いて見えた瞬間だったという。

「ああ、春なんだ!」

自然から、元気をもらった瞬間だった。

いまでもあの光景は、忘れられないという。

北国の春は、それだけ、大きなパワーを持っている。


あと、数ヵ月すれば、またその春が

巡ってくる。

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by kitanojomonjin | 2017-03-05 14:48 | この国のかたち | Comments(0)

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「海駅図鑑」という本がでた。

副題は、海の見える無人駅。

「本邦初の“海×無人駅”ガイドブック」とある。


その名のとおり、美しい写真とともに、

海の見える無人駅が、30ヵ所紹介されている。


私の愛する五能線の驫木(とどろき)駅も

しっかり載っている。


毎日、ひとつずつ読めば、

一ヵ月、日本列島の海岸線の旅が出来る。

読み進むのが、楽しみである。

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by kitanojomonjin | 2017-02-28 18:26 | この国のかたち | Comments(0)

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実際と異なる好条件をうたって

就職希望者をおびきよせる求人トラブルが

後を絶たないという。

なぜだろう。

長い間、不思議に思っていた。

そのことに関連した記事が、去年の暮れ、新聞に載っていた。

不適正な求人広告情報を

厚労省で把握しているのに、

出先機関の労働局に伝えられていなかったという。

この5年で、10万件も不適正情報をキャッチしていたのに、

その情報が、ちゃんと伝えられていなかったというのだ。

(東京新聞・2016年12月30日付)

暮れのばたばたした時期だったので、

見過ごされがちだったが、

東京新聞の特ダネのようだ。

5年まえ、総務省が、厚労省に、出先の労働局に伝えるよう勧告したが、

そのままになっているという。

求人サイトや求人誌を信用して、

結果として、ブラック企業まがいのところで

ひどい目にあった就職希望者の例もルポされていた。

ほんとうに、なんとかならないものだろうかと、

つくづく思う。

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by kitanojomonjin | 2017-01-23 18:12 | この国のかたち | Comments(0)

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先日の新聞で、上智大学教授ミュリエル・ジョリヴェさんが、

日本のこども対策について、批判していた。

彼女は、日本で2人の子育てをして、

フランスとの大きな違いに、おどろいた。

「日本の女性が子供を産まないのは、

『無意識の『おなかのストライキ』」だという。

「(政治家が)子供を産みやすい国にしたいなら、

お産を無料にすべきだ。

出産が健康保険の適用外など、あり得ない。

教育も同様だ。義務教育は無料でも、修学旅行や

制服にお金がかかる。これを減らすべきだ。」

そして、結論は、「子育てが楽しいなら(自然に)産む」

というもの。

なるほど。

フランスと日本の両方の子育てを身を持って体験した

彼女の言葉には、説得力がある。

(毎日新聞・2017年1月6日付)

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by kitanojomonjin | 2017-01-21 13:01 | この国のかたち | Comments(0)

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正月、近所の大正寺というお寺に初詣した。

ここは、調布七福神のひとつで、池のなかに、恵比寿神が

祀られている。

恵比寿神は、富と福をつかさどる神。

よくみると、恵比寿神は、お顔が横向きになっている。

そのため、備えられた木の板をたたき、お賽銭をあげて、

こちらをむいてもらうのだという。

参拝客がひっきりなしだった。

どうも、庶民レベルの感覚では、

世の中の経済はいまいち。

恵比寿神は、なかなか、庶民のほうを向いてくれない。


そういえば、正月の新聞の論考に

福袋をめぐる興味深いものがあった。


「私たちがお正月に福袋を買うのは、中身が見えなくても

『この店ならまともな品が入っている』と思うからだが、

その信頼が政府にない。

最近は福袋にも中身の見えるものがある。

政府は財源の問題も含め、社会保障という福袋を

『見える化』し、国民の理解と納得を

得ることに勤めるべきだ。」
  
 (2017年1月6日付・毎日新聞 立正大学・吉川洋氏)

たしかに。

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by kitanojomonjin | 2017-01-12 11:09 | この国のかたち | Comments(0)

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昭和史跡散歩という本を読んでいる。

腰巻のキャッチコピーには、

こんな一文が書かれている。

「気鋭の歴史研究家が158カ所の『昭和の記憶装置』を

足で呼び覚ます!」

圧巻は、東京大空襲のくだり。

10万人以上の犠牲者をだして、広島、長崎に並ぶにもかかわらず

意外に、忘れ去られようとしている。

著者は、渾身の思いで、次のように書き記す。


「東京大空襲はじめ全国各地への無差別爆撃を

指揮したのは、アメリカ空軍のカーチス・ルメイである。

『日本を焼き尽くせ』と号令した男。

ところがあろうことか、昭和39年12月、佐藤栄作首相の時代、

日本政府はルメイを招き、勲一等旭日大綬章を贈っている。

もちろん、表向きは日本を『爆撃してくれた功績』ではない。

『日本の航空自衛隊の育成に協力した』ことだ。

しかし、これでは都市爆撃は容認されるというアメリカの

国内世論を、日本政府が認めたことになりかねない。」


著者は、つぎのことばで、しめくくる。

「ここまでおめでたい国は、ほかに類を見ないのではないか。」


考えさせられることばである。

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by kitanojomonjin | 2017-01-05 12:51 | この国のかたち | Comments(0)

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正月、さしたることもなくおだやか。

「風の人」「土の人」ということばを

1月3日の新聞で見つけた。

(毎日新聞・2017年1月3日付)

地域おこしの取材をしている

ジャーナリストの田中輝美さんのことばだという。


「地域に風を起こして去っていく『風の人』と、

地域に根付く『土の人』の両方が必要ではないか。」

このあとがいい。

「両方あわせて、『風土』なのだ」


なるほど。

風土ということばをあらためて、かみしめてみる。

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by kitanojomonjin | 2017-01-04 12:49 | この国のかたち | Comments(0)

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いま、東大阪市の司馬遼太郎記念館で開催されている

企画展「坂の上の雲にみる陸羯南」では、

司馬さんの手紙が展示されているという。

それは、陸羯南について研究会を

やらないかと熱く語ったものだった。

元産経新聞社会部の青木彰さんあてのものである。

こんな具合だ。


「たれか、講師をよんできて

“陸羯南と新聞「日本」の研究”

というのをやりませんか。

もしおやりになるなら、小生、学問的なことは申せませんが、

子規を中心とした「日本」の人格群について、

大風に灰をまいたような話をしてもいいです。

露ばらいの役です。」


司馬さんの「大風に灰をまいたような話」を

ぜひ聞いてみたかった。

しかし、司馬さんも、青木さんも亡くなって、

それは、実現しなかった。

いまその志が、青木さんの教え子の青木塾に

ひきつがれている。


この便箋5枚にわたる司馬さんの手紙が、

企画展に、展示されているという。

ぜひ見てみたいものである。

(ちなみに、司馬遼太郎記念館は、いまは、

年末年始の休みにはいり、1月5日から開館だとか。)

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by kitanojomonjin | 2016-12-29 13:22 | この国のかたち | Comments(0)

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福岡市の市道で、で大規模な陥没事故が起きたのに、

1週間で修復にこぎつけた。

なぜ?

先日の新聞の投書欄にその答えが寄せられていた。

(毎日新聞・2016年11月19日付)

投書によれば、炭鉱事故での経験が役にたったという。

「炭鉱の崩落現場での作業経験がある地元の土木建設業者が、

水中でも固まりやすい特殊な土をすぐに手配・供給した

機転のよさがあった」という。

さらに、このように述べている。

「炭鉱跡地で地表が崩落すると、

空洞部に水がたまることがほとんどで、

今回の現場はそれにそっくりだった」という。

今は、ほとんど、過去の産業になった炭鉱の記憶が、

現代に生きると言うのは、

とても興味深い。

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by kitanojomonjin | 2016-12-15 12:57 | この国のかたち | Comments(0)