カテゴリ:この国のかたち( 92 )

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先日、たまたま小田急線の代々木上原駅に降りた。

南口のすぐ前に、幸福書房という小さな本屋が

ある。

個性的な本をそろえているマチの本屋さんである。

いつも、この駅に降りると、決まって、

のぞいてみる。

この本屋さんが、なんと、2月20日に、

その40年の歴史にピリオドを打って、

閉店するという張り紙が出ていた。

どんどん、マチの本屋さんが消えていく。

なにか、ローカル線が消えていくような

寂しさがある。

マチの本屋さんとは、

いわば“知のローカル線”ではないだろうか。

売れ筋の同じような本を置いている

大きな本屋だけが、生き残る。

それは、みんな同じような顔をしている。

面白味のある個性が、感じられない。

なんか寂しい。

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by kitanojomonjin | 2018-02-14 20:55 | この国のかたち | Comments(0)

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先日の新聞に、中国四川省の大地震の復興コンペで、

入選した中央大学の石川幹子教授のことばが

紹介されていた。

(2017年12月18日付・毎日新聞)

石川教授は、専業主婦だった42歳のとき、

大学に戻って博士号を取得した変り種。

東日本大震災や熊本地震の復興支援にかかわり、

独創的な環境デザインで内外の設計コンペを

連覇しているという。

「国際コンペに勝つコツは?」と聞かれて

こんなふうに答えている。

「それぞれの場所に歴史があり、蓄積がある。

土地そのものに答えが埋め込まれています。

土地に刻まれた歴史、人の思いを読み込む努力ですね。

長い歴史から見れば、私たちの存在はほんの一瞬です。

その瞬間に何をなすべきか、

過去を見て未来を思えば自然に決まる。

無理はしません。」

至言である。

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by kitanojomonjin | 2017-12-22 13:45 | この国のかたち | Comments(0)

濁流 2017年10月22日

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台風の先触れの雨がやまない。

多摩川は、濁流が渦巻いていた。

きょうは、選挙。

投票所には、雨にもかかわらず、

多くの人が、ならんでいた。

あの時を境に、

こんな日本になってしまったと後悔しないためにも

一票を入れて来た。

はたして、政治の潮目はかわるだろうか?

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by kitanojomonjin | 2017-10-22 15:48 | この国のかたち | Comments(0)

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いま、「夢の日本史」という本を読んでいる。

すこぶるつきに、面白い。

現代人は、夢は自分のものと考えるが、

古代人は、「夢は、神や仏や死者たちのような

人間を超越た存在から、届けられたメッセージだと思っていた」という。



日本の歴史の中で、文献に登場する夢にまつわることばが、示されていた。

たとえば・・・。

「夢の枕」(12世紀)=夢の中で神仏や死者が現れ告げ知らせること。

「夢を買う」(13世紀)=自分の身に幸運がめぐり来るよう、他人の見た夢を買い取る。

「夢開き」(18世紀)=吉夢や夢のお告げを知らせる祝儀。

「ゆめ知らせ」(19世紀)=遠方で起こったことや、これから起こることを夢で知らせる。

なかなか興味深い。


ちなみに、夢ということばに、「将来実現したい理想」の意味をこめたのは、

20世紀に入ってからだという。

それまでは、あくまでも、異次元からのメッセージであったのだ。

日本人のこころのありようを考えるうえで、

実に興味深い。

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by kitanojomonjin | 2017-09-11 16:52 | この国のかたち | Comments(0)

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連休は、好天が続いている。

多摩川べりの散歩も気持ちがいい。

先日、日本の都会のきれいな花をつける雑草は、ほとんど

外来種だという記事を読んだ。

代表的なマツバウンランやニワゼキショウは、北米原産だという。

(東京新聞・2017年5月4日付・コラム)

「在来種が生きていた里山や野原は切り開かれて、

都市化された。

荒れて乾いた土地ばかりの都会で

生きていけるのは、乾燥に強い外来種。」

『外来種はダメというイメージがあるが、都市での

緑の豊かさを求めるのなら、外来種は不可欠なのです』

という専門家のことばも紹介している。

知らなかった!


なにか示唆的なはなしである。

在来種と外来種が、目くじら立てないで

おだやかに暮らせる国になって欲しいものである。

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by kitanojomonjin | 2017-05-06 14:33 | この国のかたち | Comments(0)

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先日の新聞に、パンの歴史が紹介されていた。

(2017年4月11日付・毎日新聞)

パンと日本人の出会いは16世紀のキリスト教布教時代に

さかのぼるという。

知らなかった!

弾圧と鎖国の世は長崎の出島に生き延び、幕末・明治維新を

境に開放された。

パン普及のバネのひとつは、兵糧と目されたことで

西南戦争にも用いられたという。


なんといっても、戦後の学校給食で重要な位置を占めた。

「かつては学校を休んだ級友のために

パンを包んで下校時に届けた」という

思い出が紹介されていた。

パンが、その存在感を最大限に発揮した瞬間だったろう。


パンにも脈々とした歴史があるのだ。

教科書の都合で、和菓子屋にさしかえるのは、

やはりおかしいと思う。

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by kitanojomonjin | 2017-04-17 12:48 | この国のかたち | Comments(0)

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先日の新聞で、法政大学総長の田中優子さんが、

こんなコメントをしていた。

(東京新聞2017年4月7日付)

「コミニケーションとは、気に入ってもらったり、

なれ合ったりするためだけでなく、

他者が見えていないものを手渡すためにある。

原発事故に起因いじめや排除・差別を経験している人々、

それを知っている人々は、

やはりそのことを言葉に出して語るべきだろう。」


こころに、響く根源的な指摘だと思う。

田中さんは、最後に、こう結んでいる。


「水俣病も原発事故も文明の災害であり、

加害者が明確であるはずなのに

被害者は十分な補償を受けられず、

さまざまな差別にさらされている。

まずその事実を知ることが必要で、

そのためには、それを伝え、

それが間違っていること、

憎悪表現や暴言が悪であることを語る、

たくさんの人々の言葉が必要なのである。」

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by kitanojomonjin | 2017-04-09 10:52 | この国のかたち | Comments(0)

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先日、C.W.ニコルさんが、新聞のコラムに

カントリージェントルマンについて、書いていた。

(毎日新聞・2017年3月29日付)

「英国の旅先、ことに田舎の高級ホテルで日本国籍の

パスポートを出すと、『東京に住んでいるのか』と

聞かれることが多い。

私が、『いや、日本アルプスの長野に住んでいる』と

答えると、スタッフの態度が一変する。

彼らにとって、日本アルプスに住んでいるという事実は

とりもなおさず、私が、(中略)

しっかりと大地に根を下ろした信頼に足る人物、

決して宿泊料を踏み倒したり、不作法な振る舞いを

したりはしない本物の紳士『カントリージェントルマン』であると

受け止められるのだ。」

英国では、長きにわたり、「田舎」に土地をもたない都会人には

選挙権が与えられないという歴史があったためという。


「カントリージェントルマン」とは、

田舎紳士あるいは、田舎者(?)紳士の

ニュアンスがあるのかと思ったら、

大間違い。

本物の紳士なのだ。

日本の田舎暮らしの人は、胸を張っていい。

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by kitanojomonjin | 2017-03-31 12:21 | この国のかたち | Comments(0)

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先日、ラジオで、俳優の相澤一成さんが、ふるさとの

宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)で、3.11にちなんだ

朗読劇「ファミリーツリー」を発表したことを話しておられた。

登場人物のすべてが、地元の人々で、地元の言葉で、語り合う群集劇である。

最後は、この地に伝わる「閖上(ゆりあげ)大漁節」の

大合唱で終わるという。

「閖上(ゆりあげ)大漁節」というのは、

“今朝の日和は 空晴れ渡り 波静か またも大漁だ”

といった歌詞で、節は大漁唄いこみの系統のものだという。

かつお漁の大漁を祝って

網元や船主の家で手振りもにぎやかに歌ったもので、

いつしかこの地区のひとのこころの絆のうたになっている。

実は、朗読劇「ファミリーツリー」に登場するほとんどのひとびとは、

かつてこの地区に住んでいて、東日本大震災の津波で

亡くなった人たちだった。

生きているものと、死んだものとの交流に

ふるさとの歌が大きな役割を果たしているのは、

とても象徴的である。

歌の力とでも言おうか。

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by kitanojomonjin | 2017-03-15 13:55 | この国のかたち | Comments(0)

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先日、女優の奈良岡朋子さんが、ラジオで

72年前に見た桜の思い出を話しておられた。

昭和20年3月東京大空襲。

その数ヵ月後、焼け野原になった東京を後にして

彼女は、青森県の弘前市の高校に転校する。

いまの弘前中央高校である。

その正門を入ったところに、

大きな桜の木が爛漫と花を付けていた。

その根元には、緑の草がはえ、小さな黄色い花を

つけていたという。

北国では、桜の花と緑の草花がいっせいに花を付ける。

東京大空襲の殺伐とした光景を見てきた彼女には、

それは、とても自然が輝いて見えた瞬間だったという。

「ああ、春なんだ!」

自然から、元気をもらった瞬間だった。

いまでもあの光景は、忘れられないという。

北国の春は、それだけ、大きなパワーを持っている。


あと、数ヵ月すれば、またその春が

巡ってくる。

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by kitanojomonjin | 2017-03-05 14:48 | この国のかたち | Comments(0)