カテゴリ:人生( 291 )

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先日、美川憲一が、三越劇場で、楢山節考の

朗読会をして、反響を呼んだという。

ラジオで、その朗読が紹介された。

鬼気迫るものであった。


深沢七郎原作の姥捨て山のはなしである。

年を取った老親を口減らしのため山へ捨てに行く。

一種の親殺しのはなしである。


あらためて、原作を読んでみた。

圧巻は、老婆を山に置き去りにした後、

雪が降ってくる場面である。

「おっかあ、雪が降ってきたよう。

おっかあ、ふんとに雪が降ったなあ。」

雪につつまれて、苦しまずに死ねる。

ぎりぎりの親への愛情の表現である。


「楢山節考」を読み直して、一番びっくりしたのは、

老婆が、山に捨てられる年齢である。

70歳になったら、否応なく、すてられるおきてだった。

現代では、のきなみ、該当者だらけだ。


今の時代になっても、ひとびとの心を

ゆりうごかし、朗読の会場では、すすり泣きの声がきこえたという。

なぜだろう。

そこに、人生の深い問題が潜んでいるせいではないか。

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by kitanojomonjin | 2017-10-17 09:32 | 人生 | Comments(0)

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先日、人生フルーツという番組を見た。

「ある建築家と雑木林のものがたり」という副題がついている。

東海テレビの制作で、去年の芸術祭大賞を受賞した。

90歳のご主人と87歳の妻が、庭の果樹園の世話をしているところから

はじまる。

よくある老人の老後のはなしかなと思うと、

だんだん様子が違ってくる。

ご主人は、もっぱら高度成長の時代の公団住宅を設計した

建築家だった。

理想の公団を作ろうと、雑木林が、風の通り道として中央部にある

公団住宅を設計し提案した。

しかし、それは採用されなかった。

彼は、諦めなかった。

公団の近くに、土地を購入し、自分で、雑木林付きの家作りを

はじめた。

それから、長い歳月が経ち、

少しづつ、彼の理念が理解されていく。

経済効率一辺倒のすまいでなく、

里山のような自然に包まれたすまいをめざそうというものである。


ある日、かれは、昼寝から起きてこなかった。

90歳の寿命を全うしたのである。

最初は、とまどった妻も、気を取り直し、

かれのやり方を思い出し、枯れ葉を畑に入れて、

豊かな土作りから、はじめる。


不思議な時間の流れる番組である。

劇場版も出来ていて、いま渋谷で上映中である。

必見である。

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by kitanojomonjin | 2017-10-13 13:11 | 人生 | Comments(0)

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東西冷戦下の1983年に核戦争の勃発を防いだというソ連の軍人が

今年5月亡くなった。

その人物は、スタニスラフ・ペトロフ中佐(当時)。

5発のミサイルが、ソ連にむけて発射されたという警報を

誤作動50パーセントと判断、上司に報告しなかった。

結果的に報復攻撃をくい止め、核戦争を防いだという。

西側が、本気でソ連を攻撃する気なら、5発のミサイルでは

すまないだろうと考えたためという。

ぎりぎりのところで、人類は、冷静な一人の人間の

英知によって救われたのである。

最後は、冷静な人間の判断だと、つくづく思う。

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by kitanojomonjin | 2017-10-10 16:09 | 人生 | Comments(0)

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先日、ラジオでショッキングな話を聞いた。

秋の虫ウマオイは、スイッチョ・スイッチョと鳴くことで知られるが、

この鳴き声は、還暦をすぎると聞こえなくなるというのだ。

秋の虫の中で、もっとも周波数が高いため。

ピアノの右端の鍵盤の2.5倍の周波数だという。

そんなばかなと思って、

インターネットで検索して聞いてみると、

たしかに聞こえない。

愕然とした。

ただ、カンタン、スズムシ、マツムシ、コオロギは

ちゃんと聞こえるから、まあいいとするか。

でも、けっこうショックな話だ。

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by kitanojomonjin | 2017-09-23 14:10 | 人生 | Comments(0)

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今年2月13日、鈴木清順監督が、亡くなった。

きのうから、神田の神保町シアターで、鈴木清順の世界と題して、

代表作20本が、順次上映される。

その個性的な作品は、いずれも魅力的だが、

個人的には、「けんかえれじい」が、最も印象的である。

旧制高校のばんからの青春を若き高橋英樹が熱演している。

高橋が、恋焦がれるマドンナ(女学生)役を、

若き日の浅野順子が演じている。

そして、ラストに近く北一輝役で登場するのが、

緑川宏。

すごい存在感だった。

快優といってもいいだろう。

その後、まもなく、かれは、自死してしまう。

結局、この作品は、大正生まれで、旧制弘前高校に学んだ

鈴木監督の青春と密接に重なっているような気がする。

実の弟で、アナウンサーになった鈴木健二も、

旧制弘前高校に進み、寮長として、大暴れした。

清順監督を悼む文章で、鈴木健二さんは、

最期の三ヶ月間、病室の兄に付き添い、

いまわの際に、ぎゅっと手を握ってくれたと

書き記している。

映画というものは、過去の追憶とともに

時代の決意というものも、伝えているのではないか。

「けんかえれじい」を振り返ってみて、あらためて、そう感じた。

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by kitanojomonjin | 2017-06-11 19:44 | 人生 | Comments(0)

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新・平成の伊能忠敬という万歩計で、

日本列島の海岸線を時計回りと反対に歩き始めて

5年1ヶ月たった。

全行程の58パーセント踏破して、

このたび、ようやく熊本にたどりついた。

熊本地震から、1年以上たって、

個人的にも、関心の強い熊本に

ようやく着いたかと感慨が深い。


福岡に到着してから、長崎・佐賀の

海岸線が、実に入り組んでいて、長かった。

途中で、万歩計が壊れて、逆方向へすすんでいるのか

と思うくらいだった。

熊本に入る前に、もう一度、福岡になるのだ。

地図で確かめると、海岸線は、そうなるのだ。

のこりの42パーセントの旅は、

なにが待ち受けていることやら。

この調子でいくと、最終的に、スタートした

東京にたどり着くのは、4年後の2021年。

東京オリンピックの翌年になる。

どんな東京になっていることだろう。

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by kitanojomonjin | 2017-05-29 16:00 | 人生 | Comments(0)

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かつて、三鷹にあった碧雲荘。

若いころ太宰治が、最初の妻と暮らした下宿屋である。

その建物が、太宰フアンのつてで、

九州の湯布院に引き取られたと聞いてから、

その後の消息がしばらくわからなかった。

最近の新聞に、見事にリニューアルされたという記事が

出ていた。(陸奥新報・2017年5月19日付)

熊本の地震から1年後の今年、4月16日に、

オープニング・セレモニーが行なわれたという。

熊本地震で、湯布院も大きな被害を受けた。

この日を選んで、オープンしたのは、

復興のシンボルとしたいという思いもあったという。

いつか由布院をたずね、この目で、生まれ変わった

碧雲荘をみてみたいものだ。

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by kitanojomonjin | 2017-05-27 13:49 | 人生 | Comments(0)

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かまやつひろしの「我が良き友よ」のB面の曲を

ご存知ですか?

「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」

作詞・作曲、かまやつひろしである。

ゴロワーズって、あのフランスのたばこのことである。

こんなふうに、始まる。

「ゴロワーズというタバコを吸ったことがあるかい

ほらジャン・ギャバンがシネマの中で吸ってるやつさ

よれよれのレインコートの襟を立てて

短くなるまで奴は吸うのさ

そうさ短くなるまで吸わなけりゃダメだ

短くなるまで吸えば吸うほど

君はサンジェルマン通りの近くを歩いているだろう」

歌うようなささやくような不思議な曲だ。

吉田拓郎作詞・作曲の「我が良き友よ」に反発して、

がらりと違う歌をB面に吹き込んだという。

2日前まで、歌詞も曲も出来ていなかった。

これはこれで、いい味をだしている。

かまやつ自身のこんな言葉がのこっている。

「その当時、僕はフェイセスが好きで、ロッド・スチュワートを気取っていたから

「我が良き友よ」の“ゲタ履いて腰に手ぬぐいぶら下げて”っていう詞を歌うのにすごく抵抗があったわけ。

じゃあB面は自分がやりたいことをやるんだってことになってね(笑)」

単に、ポーズをつけた歌かと思うと大違い。

3番・4番の歌詞には、かまやつの生き方が、しっかり

歌いこまれている。


「君はたとえそれがすごく小さな事でも

何かにこったり狂ったりした事があるかい

たとえばそれがミック・ジャガーでも

アンティックの時計でも

どこかの安い バーボンのウィスキーでも

そうさなにかにこらなくてはダメだ

狂ったようにこればこるほど

君は一人の人間として

しあわせな道を歩いているだろう」


「君はある時何を見ても何をやっても

何事にもかんげきしなくなった自分に

気が付くだろう

そうさ君はムダに年をとりすぎたのさ

できる事なら一生 赤ん坊でいたかったと思うだろう

そうさすべてのものがめずらしく

何を見ても何をやってもうれしいのさ

そんなふうな赤ん坊を

君はうらやましく思うだろう」

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by kitanojomonjin | 2017-04-14 14:45 | 人生 | Comments(0)

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最近、文化人類学者レヴィ・ストロースの著作「野生の思考」が、

とても気になる。

特に、「プリコラージュ」という考え方が。

「器用仕事」とか「日曜大工」と訳される。

南米の現地民族が、森の中を歩いて、

木の枝やいろんなものを袋に入れていく。

何かのときに、何かの役にたつと思って

入れていくのだという。

手近なものを使って、当面の課題に対応していく

「野生の思考」は、縦割りの現代人の思考に

決して、負けない。

災害や事故に直面したとき、

たとえば、3.11の後、停電になったときの東京を

思い起こしてみるとわかる。

帰宅難民でいかに難儀したか。

あるいは、乾電池不足をはじめ、

コンビニの商品が払底したあの光景を。


現代人より、未開人とよばれる人々が、

はるかに、生き延びる知恵を持っているのだ。

「野生の思考」が発表されたとき、

現代社会に与えた衝撃は大きかった。

いまや、「野生の思考」を再発見する時代になっていると思う。

そして、それは、縄文人の知恵を見直すことにも、繋がっていく。

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by kitanojomonjin | 2017-03-28 13:48 | 人生 | Comments(0)

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いま、ラジオ深夜便の歌で、

「聖橋の夕陽」という歌を放送している。

作詞:石原信一

唄と作曲:堀内孝雄


こんな出だしである。

「学生街の坂道で

偶然きみに逢うなんて

白髪の混じる齢(とし)なのに

ときめく胸がよみがえる」


そして、5分間ほどことばをかわし、

いま幸せなことを確かめて

分かれる。


ラストは、こんなふうである。

「聖橋から眺める夕陽

川がまぶしく時はたたずむ

戻らない思い出に恋をする」


これは、あくまで、男性の側の未練だろう。

女性は、さらりと忘れて、

新しい人生に踏み出しているに違いない。

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by kitanojomonjin | 2017-02-27 17:32 | 人生 | Comments(0)