カテゴリ:人生( 295 )

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先日、雪の降る日。

映画「過去のない男」というDVDを借りてきて見た。

フィンランドの監督カウリマスキーの2002年の作品である。

これが、すこぶるつきに面白かった。

冒頭、主人公の男が、暴漢に襲われ、

ボコボコにされて、記憶をなくする。

死んだと思った男が、ゼロから人生をはじめる

物語である。

見ているうちに、自分ならどうするだろうと、

感情移入して、ハマってしまう。

捨てられたコンテナで、暮らしはじめた彼は、

救世軍の女性に恋をする。

そして、次に、救世軍の音楽隊に提案して、

のりのいい音楽のコンサートを開く。

一貫して、カウリマスキー流の

ほとんど無表情の人物が、登場する。

ところが、

ところどころに、なんともいえないユーモアと

人生のペーソスがただよう。

いろんなことを考えさせられる。

結局、人生をゼロにリセットしても、

恋と音楽さえあれば生きていけるということなのか、とか。

もっと、深読みをすると、

これは、21世紀版のキリストの話なのかな、とか。

友人に聞いたら、カウリマスキーの最高傑作の呼び声が

高いという。

なるほど。

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by kitanojomonjin | 2017-12-09 09:29 | 人生 | Comments(0)

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先日、手塚治虫の「ブラックジャック」の誕生秘話を

テレビで、やっていた。

週刊チャンピオンの編集者の証言によれば、

手塚治虫の死に水を取ろうという意気込みだったという。

世はまさに、全共闘の学生運動華やかりしころ。

劇画がはやる時代で、

勧善懲悪の手塚漫画は、どん底だった。

手塚に、最後のチャンスを与えよう。

その代わり、各回読み切り。

4か月当たらなければ、打ち切り。

そんな、厳しい条件で、始まったのが、

「ブラックジャック」だった。

もともと医者を志望した学生だった手塚が、

自分の原点に戻って、選んだネタだった。

だが、子供向けの雑誌に登場した

ブラックジャックという悪徳医。

すべて、かたやぶりのものだった。

結局、多くの読者の支持を獲得することになる。


その魅力とは、なんなのだろう。

気になって、

文庫版のブラックジャックを

いま読みはじめている。

いずれも、新鮮である。

この漫画、殺伐とした現代にこそ

輝きを発しているようだ。

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by kitanojomonjin | 2017-11-21 21:11 | 人生 | Comments(0)

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アモーレアモーレアモレミヨという音楽が耳について

離れない。

1960年代後半から、70年代の初めまで、

映画館の休憩時間になると

きまってこの曲が流れていた。

これこそ、ピエトロ・ジェルミ監督・主演の

映画「刑事」のテーマ音楽だったのだ。

1959年製作のイタリア映画である。

刑事役ピエトロ・ジェルミを中心とした捜査チームの

活躍ぶりの描き方は、

黒澤明監督の「天国と地獄」にも影響を与えたと

いわれるほど、息の合った小気味のいいものである。

イタリア・ローマの庶民街でおきる犯罪から

話が始まる。

貧しさゆえに、犯される犯罪。

そして、ラストが印象的だ。

クラウディア・カルデナーレが、連行されていく愛人の

クルマを追いかけるシーン。

20歳そこそこの彼女の衝撃的な映画デビューだった。

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by kitanojomonjin | 2017-11-10 09:17 | 人生 | Comments(0)

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「越境者」という映画を見た。

「刑事」や「鉄道員」で知られるイタリアのピエトロ・ジェルミが監督したもの。

1950年の作品だが、最近、DVD化された。

イタリア・リアリズムの代表作である。

冒頭のカットがすごい。

鉱山の入り口に、立ち尽くす女とこどもたち。

まるで、ギリシャ悲劇のような群像である。

硫黄鉱山の地底にいる男たちを待っているのだ。

男たちは、鉱山の閉山に抗議して、地底に立てこもっている。

いきづまる緊張の中で、一昼夜たつ。

ついに、地底から合図があり、男たちは、トロッコで

地上に上がってきた。

これ以上いると、命の危険があるぎりぎりのところだった。

上がってくる汗と埃にまみれた男の顔のアップ。

そこに、待ちわびた妻やこどもの悲鳴に似た声がかぶる。

ここで、映画の登場人物ひとりひとりが、

見ているものに、確実に印象付けられる。

見事な演出である。

以下、ストーリーは、「怒りの葡萄」のイタリア版といったところである。

一行は、シシリー島の鉱山から、職を求めて、フランスへ。

さらに、北上して、北ヨーロッパの炭鉱をめざす。

その旅の中で、仲間は、どんどん脱落し、最後は、20人前後になる。

雪の国境越えでも、犠牲者を出した。

ようやく国境を越えたかと思ったとき、

国境警備隊に見つかる。

彼らの運命は、どうなるのか?

これ以上は、ネタバレなので、よしにするが、

実に見事な群像劇になっている。


ふと気が付いたが、

これは、まさに、現代の難民の問題を

先取りしているような気がする。

必見である。

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by kitanojomonjin | 2017-11-06 20:14 | 人生 | Comments(0)

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先日、美川憲一が、三越劇場で、楢山節考の

朗読会をして、反響を呼んだという。

ラジオで、その朗読が紹介された。

鬼気迫るものであった。


深沢七郎原作の姥捨て山のはなしである。

年を取った老親を口減らしのため山へ捨てに行く。

一種の親殺しのはなしである。


あらためて、原作を読んでみた。

圧巻は、老婆を山に置き去りにした後、

雪が降ってくる場面である。

「おっかあ、雪が降ってきたよう。

おっかあ、ふんとに雪が降ったなあ。」

雪につつまれて、苦しまずに死ねる。

ぎりぎりの親への愛情の表現である。


「楢山節考」を読み直して、一番びっくりしたのは、

老婆が、山に捨てられる年齢である。

70歳になったら、否応なく、すてられるおきてだった。

現代では、のきなみ、該当者だらけだ。


今の時代になっても、ひとびとの心を

ゆりうごかし、朗読の会場では、すすり泣きの声がきこえたという。

なぜだろう。

そこに、人生の深い問題が潜んでいるせいではないか。

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by kitanojomonjin | 2017-10-17 09:32 | 人生 | Comments(0)

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先日、人生フルーツという番組を見た。

「ある建築家と雑木林のものがたり」という副題がついている。

東海テレビの制作で、去年の芸術祭大賞を受賞した。

90歳のご主人と87歳の妻が、庭の果樹園の世話をしているところから

はじまる。

よくある老人の老後のはなしかなと思うと、

だんだん様子が違ってくる。

ご主人は、もっぱら高度成長の時代の公団住宅を設計した

建築家だった。

理想の公団を作ろうと、雑木林が、風の通り道として中央部にある

公団住宅を設計し提案した。

しかし、それは採用されなかった。

彼は、諦めなかった。

公団の近くに、土地を購入し、自分で、雑木林付きの家作りを

はじめた。

それから、長い歳月が経ち、

少しづつ、彼の理念が理解されていく。

経済効率一辺倒のすまいでなく、

里山のような自然に包まれたすまいをめざそうというものである。


ある日、かれは、昼寝から起きてこなかった。

90歳の寿命を全うしたのである。

最初は、とまどった妻も、気を取り直し、

かれのやり方を思い出し、枯れ葉を畑に入れて、

豊かな土作りから、はじめる。


不思議な時間の流れる番組である。

劇場版も出来ていて、いま渋谷で上映中である。

必見である。

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by kitanojomonjin | 2017-10-13 13:11 | 人生 | Comments(0)

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東西冷戦下の1983年に核戦争の勃発を防いだというソ連の軍人が

今年5月亡くなった。

その人物は、スタニスラフ・ペトロフ中佐(当時)。

5発のミサイルが、ソ連にむけて発射されたという警報を

誤作動50パーセントと判断、上司に報告しなかった。

結果的に報復攻撃をくい止め、核戦争を防いだという。

西側が、本気でソ連を攻撃する気なら、5発のミサイルでは

すまないだろうと考えたためという。

ぎりぎりのところで、人類は、冷静な一人の人間の

英知によって救われたのである。

最後は、冷静な人間の判断だと、つくづく思う。

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by kitanojomonjin | 2017-10-10 16:09 | 人生 | Comments(0)

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先日、ラジオでショッキングな話を聞いた。

秋の虫ウマオイは、スイッチョ・スイッチョと鳴くことで知られるが、

この鳴き声は、還暦をすぎると聞こえなくなるというのだ。

秋の虫の中で、もっとも周波数が高いため。

ピアノの右端の鍵盤の2.5倍の周波数だという。

そんなばかなと思って、

インターネットで検索して聞いてみると、

たしかに聞こえない。

愕然とした。

ただ、カンタン、スズムシ、マツムシ、コオロギは

ちゃんと聞こえるから、まあいいとするか。

でも、けっこうショックな話だ。

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by kitanojomonjin | 2017-09-23 14:10 | 人生 | Comments(0)

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今年2月13日、鈴木清順監督が、亡くなった。

きのうから、神田の神保町シアターで、鈴木清順の世界と題して、

代表作20本が、順次上映される。

その個性的な作品は、いずれも魅力的だが、

個人的には、「けんかえれじい」が、最も印象的である。

旧制高校のばんからの青春を若き高橋英樹が熱演している。

高橋が、恋焦がれるマドンナ(女学生)役を、

若き日の浅野順子が演じている。

そして、ラストに近く北一輝役で登場するのが、

緑川宏。

すごい存在感だった。

快優といってもいいだろう。

その後、まもなく、かれは、自死してしまう。

結局、この作品は、大正生まれで、旧制弘前高校に学んだ

鈴木監督の青春と密接に重なっているような気がする。

実の弟で、アナウンサーになった鈴木健二も、

旧制弘前高校に進み、寮長として、大暴れした。

清順監督を悼む文章で、鈴木健二さんは、

最期の三ヶ月間、病室の兄に付き添い、

いまわの際に、ぎゅっと手を握ってくれたと

書き記している。

映画というものは、過去の追憶とともに

時代の決意というものも、伝えているのではないか。

「けんかえれじい」を振り返ってみて、あらためて、そう感じた。

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by kitanojomonjin | 2017-06-11 19:44 | 人生 | Comments(0)

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新・平成の伊能忠敬という万歩計で、

日本列島の海岸線を時計回りと反対に歩き始めて

5年1ヶ月たった。

全行程の58パーセント踏破して、

このたび、ようやく熊本にたどりついた。

熊本地震から、1年以上たって、

個人的にも、関心の強い熊本に

ようやく着いたかと感慨が深い。


福岡に到着してから、長崎・佐賀の

海岸線が、実に入り組んでいて、長かった。

途中で、万歩計が壊れて、逆方向へすすんでいるのか

と思うくらいだった。

熊本に入る前に、もう一度、福岡になるのだ。

地図で確かめると、海岸線は、そうなるのだ。

のこりの42パーセントの旅は、

なにが待ち受けていることやら。

この調子でいくと、最終的に、スタートした

東京にたどり着くのは、4年後の2021年。

東京オリンピックの翌年になる。

どんな東京になっていることだろう。

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by kitanojomonjin | 2017-05-29 16:00 | 人生 | Comments(0)