カテゴリ:縄文植物を育てよう( 4 )

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三内丸山遺跡では、膨大なクリの花粉が出土している。
このことと、クリのDNAの分析から、三内丸山では、
クリが栽培されていたと考えられている。

さらに、巨大木柱や大型住居の用材は、ほとんどクリが
使われているという。

なぜクリなのだろうか。

クリは、鉄道の線路の枕木に使われるほど硬い木である。
よりによって、なぜクリなのだろうか。

この疑問に見事に答えてくれた本を最近読んだ。
藤森照信さんの「人類と建築の歴史」という本である。

なぜ比較的柔らかいヒノキやをスギをつかわず、硬い
クリだったのか。

それは、いつに、道具によるのだという。
縄文時代の磨製石斧では、クリが最もよく切れたという。
ヒノキやスギの針葉樹は、弾力があって切りにくかった。

後に出てくる鉄器では、全く反対だったという。
鉄器では、ヒノキやスギが最も切りやすく、クリは、
難しかったという。

なるほど、そういうことなのか。
非常に説得力のある話である。

いずれにしても、食用でも、用材としても、クリは、
縄文を代表する植物だったといえる。


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by kitanojomonjin | 2005-08-26 18:37 | 縄文植物を育てよう | Comments(2)

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(エゾニワトコ・写真提供 NPO法人三内丸山縄文発信の会)

東京大学の辻誠一郎さんは、以前から、エゾニワトコについて
いたくご執心だった。
縄文人は、これでお酒を作っていたのではないかという。
三内丸山遺跡からまとまって出土している。

2004年11月、ベルリンで開かれた縄文シンポジウムで、
辻先生は、貴重な体験をされたという。

参加者から、ヨーロッパでもニワトコの仲間から、
サンブーカというお酒を造っているという報告があった。

辻先生は、意を強くして、縄文塾でこの話を紹介された。

お酒は、米の登場した弥生時代からというのが、長い間の
定説であった。

本当にそうなのだろうか。
アルコールのない人生なんて。
のんべいは、素朴な疑問を抱く。

そこで、辻先生は、その疑問に真っ向から挑戦されたという
訳である。

同じニワトコの仲間でも、北日本・北海道・サハリンに
分布しているエゾニワトコが、酒造りに適していることまで
実証されている。

ヨーロッパの実例も加わって、縄文のお酒の可能性は、
着々と足場をかためつつある。

その暁には、はれてエゾニワトコのお酒で乾杯したいものだ。


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by kitanojomonjin | 2005-08-12 16:02 | 縄文植物を育てよう | Comments(0)

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津軽の家々の庭では、もうキキョウが花をつけていた。
秋の七草のひとつキキョウは、日本古来のものかと
思ったらそうでなかった。

東京大学の辻誠一郎先生は、キキョウを縄文植物に
あげている。

キキョウは、日本を始めアジア東部に分布しているという。
中国では、薬草として栽培され、朝鮮半島では、
「トラジ」と呼ばれ、薬用あるいは、漬物や菓子など
食用にされているという。

日本には、朝鮮半島から渡来したものといわれる。
日本古来の花と思われたキキョウが、実は、朝鮮半島と
中国につながる植物だった。

これからは、縄文時代の日本列島と東アジアとの
つながりを物語る植物として、キキョウを見直す
必要がありそうだ。


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by kitanojomonjin | 2005-08-11 15:23 | 縄文植物を育てよう | Comments(0)

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今週はじめ、津軽の西海岸を旅した。
日本海に面した海岸線を五能線の線路が延びている。
その一帯に、ハマナスが赤い実をつけていた。

ハマナスは、今年2月の縄文塾で、東京大学教授の
辻誠一郎さんが、縄文の植物として、第一にあげられ、
それ以来気になっていた。
ようやくご対面できたという感じである。

野生のハマナスは、その花の香りが強く、
香料にも利用されている。
根は染料に使われ、赤い実は、ビタミンCがたっぷり
含まれているという。

辻先生のお話では、東アジアから入ってきたハマナスは、
その実用性(食用・薬用)と、美しい花・実から、
縄文人にとって、女神のようなシンボル的存在だったのでは
ないかという。

津軽西海岸にひろがる日本海の海原。
ハマナスは、その海をさらに北上し、北海道の海岸線から、
サハリン、オホーツク沿岸に広く分布している。
最近、知ったことだが、北欧にも自生し、英名は、
Japanese Rose というらしい。

オホーツク沿岸から、シベリアそして北欧にも連なる
北方に分布するハマナスは、たしかに縄文の植物として
見直されるべき魅力に溢れているようだ。


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by kitanojomonjin | 2005-08-10 12:14 | 縄文植物を育てよう | Comments(1)