プライドと情熱 2007年7月30日

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アメリカのライス国務長官の半生記である。

なかなか面白い。

コンドリーザ・ライス。

その名前のコンドリーザの由来は、音楽と深く結びついている。

音楽愛好家であり、ピアノとオルガンの演奏家の母親が、

イタリア語の「コン・ドルチェッツァ」から発想したという。

それは、「甘美に」演奏するよう指示する音楽用語だった。

かくして、コンドリーザ・ライスは、これまでの人生において

二つのことに情熱を傾けてきたという。

それは、音楽とロシアであった。

14~15歳のころ、音楽家として生きていくことに

限界を感じ、国際政治学でロシアを専攻する。

彼女は、めきめき、その方面に才能を発揮する。

それはまさに、「歴史が日々更新され、実際的で

刻々と変化する分野」だった。

彼女は、1989年、ブッシュ(今のブッシュ大統領の父)と

ゴルバチョフの会談に同席する。

アメリカの有数なロシヤ研究専門家として。

黒人であること、女性であること、若いこと。

いずれも負い目にせず、彼女は頑張った。

「学生の頃は、いつの日か自分が、冷戦の終焉という

現代政治におけるもっとも歴史的な一場面の表舞台に

立つなどとは夢にも思っていなかった」という。


彼女の大学時代の国際政治の師は、ジョセフ・コーベル

だった。

興味深いことに、コーベルは、チェコの外務大臣であった

ヤン・マサリクの秘書だった。

ユダヤ人だったため、その後、ヒトラーの時代に

アメリカに亡命する。

彼女の外交政策観の根底には、

モーゲンソーの現実主義があるというのも興味深い。

彼女は、モーゲンソーの

「国家は世界中にイデオロギーの大義を

押し付けようとしてはならないという考え」に共感したという。

国際政治学者モーゲンソーというと、勢力均衡論が

すぐ思い出されるが、理想主義論を抑制する意味で、

彼の現実主義が、特にアメリカで、その存在意義を発揮して

いたということだろうか。


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by kitanojomonjin | 2007-07-29 16:04 | 人生 | Comments(0)