甚多古 2006年10月3日
2006年 09月 28日(「五木寛之の百寺巡礼・ガイド版」より)
先日、久しぶりに、青森の甚太古に行って、
西川洋子さんの話を聞いた。
西川さんは、知る人ぞ知る津軽三味線の奏者
高橋竹山の弟子である。
今は無き竹山の思い出を問わず語りに話してくれた。
田舎を門付けしていても、なかなか生活できない。
そこで、竹山は、考えた。
町へ出て、人通りのあるところで演奏しよう。
当時の三味線の糸は、とても切れやすかったという。
じゃん、じゃんと短く弾いて、道ゆく人々の関心を
つなぎとめ、低く短い節をときどきうなる。
それが、放浪芸・津軽三味線のスタートだったという。
いかに人々を引き付け、芸を聴いてもらうか。
そのハングリー精神が、芸人高橋竹山の原点だった。
西川さんは、普段聞けないとっておきの話を
ぽつりぽつりと話してくれた。
西川さんもそろそろ芸談をまとめる心境に
なっているのかもしれない。
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