ブラック・ハート 2006年3月19日

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マイクル・コナリーの「ブラック・ハート」を
読み終わったところだ。
ブラック・ハートは、心の闇を意味する。

ハリウッド署殺人課刑事ハリー・ボッシュの
シリーズ第3作。

巻末の吉野仁の解説が分かりやすい。

「基本的にこのシリーズがチャンドラーのハードボイルドに
強く影響されていることは言うまでもないだろう。」

「ご存じのようにハメット、チャンドラー、ロス・マクらに
始まるアメリカ私立探偵小説の伝統は、都市を舞台として
現代社会の断面を切りとり、その病んだ病巣を白日の
元にさらし続けてきた。」

「70年代以降は、ネオ・ハードボイルドと呼ばれる作品が
輩出し、それらの主人公はさまざまなハンディキャップを
負ったアンチ・ヒーロー的な私立探偵が主流だった。
ドロ沼と化したベトナム戦争や冷戦構造下の世界情勢の中、
アメリカ社会の病んだ姿がここでもおのずと反映されていた。」

さらに、ポスト・ネオ・ハードボイルドの世代を経て、
コナリーの登場である。

「さて、話を現代、ハリー・ボッシュの物語に戻ろう。
コナリーの描くボッシュの物語は
さらにポスト・ネオ・ハードボイルドを越えて、
どのような事件を扱おうとも、多くの闇を抱えた自己の物語へと
結びついていくのだ。」

なるほど。
ハリー・ボッシュ・シリーズ第8作「シティ・オブ・ボーンズ」で、
なぜボッシュは刑事をやめるのか、そのこころの傷の軌跡は、
第一作から読み進めないとわからないようになっているのも
無理はない。


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by kitanojomonjin | 2006-03-19 16:16 | カルチャー通信 | Comments(0)