先日、手塚治虫の「ブラックジャック」の誕生秘話を
テレビで、やっていた。
週刊チャンピオンの編集者の証言によれば、
手塚治虫の死に水を取ろうという意気込みだったという。
世はまさに、全共闘の学生運動華やかりしころ。
劇画がはやる時代で、
勧善懲悪の手塚漫画は、どん底だった。
手塚に、最後のチャンスを与えよう。
その代わり、各回読み切り。
4か月当たらなければ、打ち切り。
そんな、厳しい条件で、始まったのが、
「ブラックジャック」だった。
もともと医者を志望した学生だった手塚が、
自分の原点に戻って、選んだネタだった。
だが、子供向けの雑誌に登場した
ブラックジャックという悪徳医。
すべて、かたやぶりのものだった。
結局、多くの読者の支持を獲得することになる。
その魅力とは、なんなのだろう。
気になって、
文庫版のブラックジャックを
いま読みはじめている。
いずれも、新鮮である。
この漫画、殺伐とした現代にこそ
輝きを発しているようだ。