映画「越境者」 2017年11月6日

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「越境者」という映画を見た。

「刑事」や「鉄道員」で知られるイタリアのピエトロ・ジェルミが監督したもの。

1950年の作品だが、最近、DVD化された。

イタリア・リアリズムの代表作である。

冒頭のカットがすごい。

鉱山の入り口に、立ち尽くす女とこどもたち。

まるで、ギリシャ悲劇のような群像である。

硫黄鉱山の地底にいる男たちを待っているのだ。

男たちは、鉱山の閉山に抗議して、地底に立てこもっている。

いきづまる緊張の中で、一昼夜たつ。

ついに、地底から合図があり、男たちは、トロッコで

地上に上がってきた。

これ以上いると、命の危険があるぎりぎりのところだった。

上がってくる汗と埃にまみれた男の顔のアップ。

そこに、待ちわびた妻やこどもの悲鳴に似た声がかぶる。

ここで、映画の登場人物ひとりひとりが、

見ているものに、確実に印象付けられる。

見事な演出である。

以下、ストーリーは、「怒りの葡萄」のイタリア版といったところである。

一行は、シシリー島の鉱山から、職を求めて、フランスへ。

さらに、北上して、北ヨーロッパの炭鉱をめざす。

その旅の中で、仲間は、どんどん脱落し、最後は、20人前後になる。

雪の国境越えでも、犠牲者を出した。

ようやく国境を越えたかと思ったとき、

国境警備隊に見つかる。

彼らの運命は、どうなるのか?

これ以上は、ネタバレなので、よしにするが、

実に見事な群像劇になっている。


ふと気が付いたが、

これは、まさに、現代の難民の問題を

先取りしているような気がする。

必見である。

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by kitanojomonjin | 2017-11-06 20:14 | 人生 | Comments(0)