晴子情歌 2016年8月23日

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高村薫の「晴子情歌」の上巻を

読み終わったところである。

時代は、昭和10年から11年にかけて。

舞台は、津軽半島のつけね、

筒木坂という集落。

七里長浜に面した寒村が、晴子の父のふるさとである。

東京本郷から、引っ越してきた晴子の家族は、

この地から、すぐさま

一家をあげて北海道のにしん漁に行く。


にしんの大群が浜に押し寄せる

“群来(くき)”の描写は圧巻である。


「「一面の漆黒の中に茫々と青白い光の輪があり、

それは海のなかから湧きだしてくるのでした。(中略)

この群来といふものはまさに、どんな人間のこころにも

届く自然の壮大な呼び声でありました。」


これほどのスペクタルで、にしん漁を表現したものは、

記憶がない。

活字にしても、映像にしても。


主人公晴子をめぐって、

津軽の七里長浜

北海道の初山別

青森県の野辺地

と、次々に舞台が変わる。

壮大な叙事詩である。


徹底的に現地に取材した、高村薫の筆力は

うならせるものがある。

下巻を読むのが楽しみである。



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by kitanojomonjin | 2016-08-23 12:22 | 人生 | Comments(0)