熊本の友へ 2016年7月11日

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表紙は、大きく崩壊した熊本城の写真。

アサヒグラフの緊急復刊として「九州・熊本大地震」が

特集されている。

その末尾に、作家の葉室麟さんが寄せている

「熊本の友へ」という文章が、印象的だった。


まず、「熊本の友」として、

熊本市に住む石牟礼道子さんについて、ふれる。


石牟礼さんが、東日本大地震と福島原発事故の後に

書いた詩が紹介されていた。


「現世はいよいよ地獄とやいわん

虚無とやいわん

ただ滅亡の世せまるを待つのみか

ここにおいて

われらなお

地上にひらく

一輪の花の力を念じて合掌す」


もうひとりの「熊本の友」として、

熊本市の思想史家・評論家・渡辺京二さんを

あげる。

渡辺さんは、新たな地元の文芸誌「アリテリ」を創刊したという。

発刊にあたっての渡辺さんの文章もいい。


「現代はとっくに文学の世紀ではない。

文学は冗談とお噺のマイナーな世界に閉じこもってしまった。

滅びゆく森のどこに隠れた小径を見つけられよう。

それでも言葉によって生きたい。

それによってしか真に生きられないという人びとが

存在する以上、森の深みに通じる小径は

おのずと光を放たずにはおかぬだろう。」


石牟礼さんの「一輪の花の力」にしても

渡辺さんの「森の深みに通じる小径」にしても

現代に対する激しい挑戦の意思がひしひしとこめられている。


ちなみに、石牟礼さんは現在、パーキンソン病を患い、

渡辺さんが週5回、石牟礼さんを訪ねて

資料の整理や原稿の口述筆記ををしているという。


80歳をこえるお二人の精神の強さと気高さを痛感させられる。



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by kitanojomonjin | 2016-07-11 13:40 | この国のかたち | Comments(0)