太宰治のトカトントン 2015年8月1日
2015年 08月 01日太宰治が、戦後発表した短編に、
「トカトントン」というのがある。
ラジオで、敗戦を知り、
死のうと思うと、
金槌でくぎを打つ音が
「トカトントン」と聞こえる。
そのあと、この「トカトントン」という
幻聴に悩ませられる。
それは、敗戦に至る道を検証しないまま
戦後の復興につきすすむ風潮を
嘲笑っているようでもあり、
一度挫折した人間の自己不信の通底音のようでもある。
なによりも、音が主役という点が、ユニーク。
じつに、不思議な、そして、気になる短編である。
作家の島田雅彦さんが、きょうの
毎日新聞で考察していた。(毎日新聞2015年8月1日付)
「玉音放送」公開の記事と並んでいるのも、
示唆的だった。
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