流星ひとつ 2013年12月30日

c0069380_15303576.jpg


1979年秋。

ホテルニューオータニ40階

バー・バルゴー。

当時、31歳の沢木耕太郎は、

引退を表明した藤圭子に、ここで

インタビューを

試みる。

最初は、すれ違いだった

ふたりの会話は、

ウオッカ・トニックを

重ねるうちに、核心に迫る。


藤がいう。

「あたし、二つの歌を殺してしまったんだ。

とてもすばらしい歌を、

自分の手で死なせちゃったの。

歌が歌手の子供だとすると、

自分の子を殺してしまったわけ。」


そのひとつが、

阿久悠作詞の「別れの歌」。

小さな声で、藤が歌った。

「夜空は暗く 心も暗く

さびしい手と手 重ねて汽車に乗る

北は晴れかしら それとも雨か・・・

愛の終わりの 旅に出る二人」


強い潔癖症が、彼女を自死に

追い込んだのか。


今となっては、闇の中だが、

すくなくとも、ここには、

34年前の、激しく純粋な藤圭子がいる。


お読みいただいた記念にランキングをクリックしてください。
人気blogランキングへ
[PR]
by kitanojomonjin | 2013-12-30 15:45 | 人生 | Comments(0)