森浩一の考古交友録 2013年5月2日

c0069380_12274472.jpg


「森浩一の考古交友録」という本を

読んだ。

朝日新聞出版の岩田一平さんが

編集にかかわられた。

三内丸山遺跡を訪ねた

作家の司馬遼太郎さんの

思い出も載っている。


なかでも、圧巻は、

「久留米の地下足袋の行商人」


昭和25年、朝鮮戦争勃発の年。

森さん大学4年生のとき、対馬を調査で

単身たずねたという。

貧乏旅行だった。

そのとき、たまたま、地下足袋の行商人と

一緒になった。


「海の見えるところで彼は『昼にしよう』。

僕は何も食物をもっていないというと、

大きな弁当の半分を食わせてくれた。

食い終わると枯れ枝を集めて火をおこし、

スルメを焼いてくれた。」


この行商人と2時間ほどで、

分かれたが、60年あまりたっても

忘れられないという。


「僕はこの歳まで政府や企業から

援助金は一切もらわずやってきた。

学問は自分の甲斐性でするものと考えている。

でもこの行商人がくれた弁当半分と

スルメは、真心のこもった援助であった。」



そして、こんなふうに、締めくくられている。


「この時、この人のお名前を聞くことを

すっかり忘れていた。

でもこの日の出来事は

まるで昨日のことのように

脳裏に刻み込まれている。」



お読みいただいた記念にランキングをクリックしてください。
人気blogランキングへ
[PR]
by kitanojomonjin | 2013-05-02 12:46 | 人生 | Comments(0)