鎌田実さんと岩次郎さんのこと 2012年2月1日

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先日、ラジオで、医師の鎌田実さんが、

父親の岩次郎さんについて語っていた。

実は、岩次郎さんは、鎌田さんの養父である。

理由はわからないが、1歳のとき鎌田さんは

もらわれてきて、岩次郎さんに育てられた。

その岩次郎さんは、タクシーの運転手をして

鎌田さんを育ててくれた。

岩次郎さんは、生前、とても無口なひと

だった。

一度もほめてもらった記憶がないという。


ひょんなきっかけで、去年

鎌田さんは、養父のふるさとを訪ねた。

岩次郎さんは、津軽の出身だった。

青森県南津軽郡山形村(現在の黒石市)。

そこで、岩次郎をよく知る人から、

こんな話を聞いたという。

タクシーの深夜から早朝の勤務が終わった後、

岩次郎さんは、息子の寝顔をみて、

津軽弁で話しかけるのが、日課だったという。

「今日も、サガシグ(かしこく)していたか?

今日も、メゴコ(おりこうさん)でいたか?」

そして、その日の仕事の終わりに

1本のビールを飲むのが、岩次郎さんの

唯一の楽しみだったという。


この話を聞いて、鎌田さんは、

涙がとまらなかった。


今、鎌田さんは、毎朝、カップ1杯のコーヒーを入れて

半分は、岩次郎さんの仏前に供える。

あとの半分は、自分が飲むという。


こんな、不器用だけれど、実直なひとがいた。

それは、一般的な日本の父の姿だったかもしれない。


それにしても、

医師として、縦横無尽の行動をする

鎌田さんの背後に、

津軽の岩次郎さんの存在があるとは

知らなかった。


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by kitanojomonjin | 2012-02-01 16:08 | 人生 | Comments(0)