骸骨ビルの庭 2009年10月15日

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宮本輝の「骸骨ビルの庭」を読んでいる。

大阪の十三(じゅうそう)にある「骸骨ビルヂング」に

まつわる不思議な人間模様のお話。

以前、大阪に住んで、十三をよく通っていたので、

つぎのくだりが、ビリビリっときた。


「阪急電車が梅田のほうから橋を渡ってくると同時に、

そこから1500メートルほど西に架かっているJRの鉄橋でも

貨物列車が渡り始めた。

私は轟音の正体を見て、十三の街に林立するビルと、

対岸の大阪駅周辺のビル、それに東西に伸びる幅広い淀川とが、

反響板の効果をもたらして、鉄橋を渡る列車や

十三大橋を行き交う車の騒音を倍にも三倍にも、

いやそれ以上に大きなこだまに変えていることを知った。」


まさに、実感どおりである。

そして、これは、マクラで、次のくだりに導かれる。


「しかし、どうもそれだけではなさそうだ。

私の神経を苛立たせる音の根は、十三という街そのものが発する、

何かわめき声に近いものなのかもしれない。」


かくして、十三のけったいなビルのけったいな、しかも、愛すべき

人間模様の話が、繰り広げられる。

最近読んだ中では、読み応えピカイチの本である。



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by kitanojomonjin | 2009-10-15 12:47 | 人生 | Comments(0)