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縄文のお月見・十六夜幻想 2005年3月18日

 「21世紀に縄文人のけはいを追い求める夢見るブログ」 

 というキャッチフレーズで、立ち上げたこのブログも、

 3週間が過ぎようとしている。

 これまで、わたしが、縄文人のけはいを最も強く感じた

 体験をご紹介したい。

 それは、縄文の遺跡でのお月見の時だった。

 1999年9月25日夕方5時40分。北の巨大縄文遺跡に、

 十六夜の月は、姿をあらわし、みるみる中天に昇っていった。

 どこで見る月も同じと思われるかもしれないが、

 この月は、違っていた。

縄文のお月見・十六夜幻想 2005年3月18日_c0069380_1571382.jpg
(写真提供 NPO法人 三内丸山縄文発信の会)

そのころ綴った一文を紹介しよう。

  月は、現代の月でも、江戸の月でも、中世の月でも

  なかった。

  やはり、それは、古代の月であり、見方によっては、

  超古代の月なのかもしれない。

  満月の夜、ここに歴史上の人物が集う情景を夢想した。

  民俗学者柳田国男と稀代の博物学者南方熊楠が出会い、

  この地への興味を語り合う。そこに、江戸期ここを

  訪れた菅江真澄の霊が現れ、その想いを語り始める。

  菅江真澄が消えた後、中世の僧西行が乞食姿で

  現れ、もののあわれを語る。

  最後に、巫女の霊が登場し、この地に生きた人々の

  喜びと悲しみを語る。

  月は、中天に昇り、いつしかはらはらと雨が落ちてきて、

  ふとわれに返る。柳田国男も南方熊楠の姿も消えて、

  あとには、秋の虫の音だけが、響いていた。

  月夜の晩には、遺跡に閉じこめられていた、

  いにしえの想いを一瞬解き放つのかもしれない。

  それは、夢幻能十六夜とでもなづけられるべきもので

  あろうか。

いつの日か、この縄文の遺跡で、満月の夜、能の上演を

見てみたいものである。

いずれにしても、1999年に始まったお月見は、毎年続き

去年で6回を数えた。それほど私たちを引きつけて離さない。

今年もおそらくお月見が行われるだろう。その情報は、

この日記でお知らせしたい。

あなたもぜひ縄文の遺跡でのお月見を体験してみませんか。


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by kitanojomonjin | 2005-03-18 14:46 | 縄文